きみといたい、朽ち果てるまで―絶望の街イタギリにて

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041049051
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

ラスト10ページで号泣必至! 激しく切ない恋を描くホラー大賞受賞作!選考委員の評価が真っ二つに割れた、第23回日本ホラー小説大賞〈優秀賞〉受賞作! 世界から見捨てられた人々が集まってくる混沌の街・イタギリ。希望のない街に住む少年は、明日の見えない生活の中、ささやかな希望を見いだす。その希望は、道ばたでスケッチをするシズクという儚げな少女への淡い想い。次第にふたりは惹かれ合うが、絶望の街は、そんなふたりの恋を許すことはなかった……選考委員の綾辻行人氏をして「ボロボロ泣いた」と言わしめた、凄絶にして美しいエンディングは見物! 独特の世界観と美学に彩られた新しいホラー小説にして究極の恋愛小説!!



かつてこんなにも激しく、こんなにも切ない恋があっただろうか――衝撃の受賞作に絶賛の声!

【綾辻行人氏(作家・日本ホラー小説大賞選考委員)】
クライマックスから結末に至る凄絶なシークエンスを読むうち、どうしても涙が止まらなくなった。こういうのを「ボロ泣き」というのだなあ、と思った。ミステリやホラーの新人賞の原稿を読んで、こんなに泣いたのは初めてだった。――傑作である。  

【長谷敏司氏(作家)】
泥沼のような絶望を掻き分けて、見つけたロマンスの尊さに、少年はまだ気づいていないかもしれない。それは、我々この物語を読む者だけに、発見できる輝きかもしれないのだ。

【redjuice氏(イラストレーター)】
美しいと言うにはあまりにも血と死臭に彩られ過ぎた、壊れたボーイミーツガール。
それでもなお、美しい情景を思い描かずにはいられませんでした。

坊木 椎哉[ボウキ シイヤ]
1975年新潟県生まれ。2015年 ジャンプホラー小説大賞「ピュグマリオンは種を蒔く」で銅賞を受賞。16年「黄昏色の炎と213号室の雫」で、第23回日本ホラー小説大賞優秀賞を受賞。

内容説明

様々な事情の人間の澱が集まる街イタギリ。世界からはじき出された者たちをかくまうかのように築かれた小さな街で、少年・晴史は、日々、ごみ収集と死体運搬の仕事に従事していた。晴史の唯一の希望は、読書と、似顔絵を描きつつ客を引くシズクという名の少女への淡い恋心。晴史はシズクへの想いを募らせるが、黄昏色に覆われた希望のない街は、そんなちっぽけな少年の恋すら許すはずもなかった…。絶望の世界で出会ってしまった少年と少女が紡く究極の愛の形とは?

著者等紹介

坊木椎哉[ボウキシイヤ]
1975年新潟県生まれ。2015年「ピュグマリオンは種を蒔く」で、第1回ジャンプホラー小説大賞“銅賞”を受賞。16年『きみといたい、朽ち果てるまで―絶望の街イタギリにて』(応募時タイトル「黄昏色の炎と213号室の雫」)で、第23回日本ホラー小説大賞“優秀賞”を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

🐾Yoko Omoto🐾

160
ゴミと死体と売春婦が日常的風景として猥雑に溢れた、法や治安とは最も縁遠い街「イタギリ」。そんな荒み果てた街を舞台に、主人公の少年と特異な能力を持つ少女との、淡く拙い交流を描いたディストピア小説。文章にやや癖はあるが、語彙が豊富でリーダビリティは高い。だが世界観や設定などの素材が良い割に、どこか型に嵌まった感が拭えず。ストーリーも淡々とし過ぎており、過酷な背景に見合う心情描写の掘り下げが不足気味に思える。ホラーという括りや、紹介文の煽りもマイナスでしかない印象だ。雰囲気は掴めたのだが・・という読後感。2017/01/27

ダイ@2019.11.2~一時休止

115
献本に当選したので初読み作家さん。綾辻さんの選評ほど涙腺の刺激はないような気が・・・。ホラーというより少しグロがきつい気もします。でも最後は恋愛小説ですねぇ。2017/01/14

nabe

70
ホラー大賞だがホラーではない。何故かと言えば全く怖いと感じなかったから。他の人も書いている通り、相当にグロかったが単にそれだけ。綾辻さんの号泣コメントを見て読むことを決めたのだが、感動…はしなかったかな。これ以上ないほどに汚れきった舞台としてのイタギリや登場人物との対比もあり純愛成分は納得出来るレベルではあるが、ならやはりそういった小道具に頼らず現実世界で、こういう結末で、しっかり純愛を描いたのなら、きっと次第点が取れる作品になったことだろう。この一文、カッコ良くね?的なドヤ顔熟語もマイナスポイントかな。2017/02/19

Rin

70
う~ん…ホラーという感覚は抱けなかった。ただ、凄惨な描写が多くエグいグロいという感じ。書評の宮部さん、貴志さんの指摘通り設定が曖昧で色んな要素が盛り込まれ過ぎ。恐怖感もあまりなく、淡々と人が死んで最後まで謎の部分は謎のまま終わってしまった。犯人に関しても迫ってくる恐怖感はない。少年少女の恋愛も一方通行感があって私は感動まではいけなかった。ただ、読みやすさはあったしもったいないなぁと思う部分も。子どもが生きるには残酷な環境で、だからこその恋愛なのかも。読み終われば題名にとっても納得な本でした。読メの献本。2017/01/25

よっち

53
世界から見捨てられた人々が集まる混沌の街・イタギリ。そこで生まれ育ち明日の見えない生活を続ける少年・晴史が、道端でスケッチをする儚げな少女・シズクに淡い想いを抱く物語。ふとしたきっかけから言葉を交わし、共に過ごす時間を持つ日々を楽しみに思うようになってゆく二人。イタギリで続く殺人事件の真相と、目をそらしたいのに明らかになってしまう真実。惹かれている相手に嫌な部分は見せたくないと願う二人にとってはあまりにも過酷な結末でしたけど、それでも最後まで寄り添いたいと願う二人の気持ちは純粋で美しいものだと思えました。2016/12/12

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