マガイの子

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  • サイズ B6判/ページ数 295p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041047606
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

僕の姉は「取り替えられた」魔物なのか? 「マガイ」のおぞましい真実とは【第22回日本ホラー小説大賞〈優秀賞〉受賞後第一作】

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「ナバリ・イズミ神話大系」とも呼ぶべき独自の、魅力的な宇宙観。その新たな切り口から噴出する、新たな謎〈ミステリー〉と恐怖〈ホラー〉に戦慄せよ。
   ――綾辻行人
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僕の姉は「取り替えられた」魔物なのか? 「マガイ」のおぞましい真実とは

 「山に棲む『紛(まがい)』という魔性の獣が里の子供を攫って喰らい、己の子とすりかえる」「『紛』の子は見かけは人間だが、長ずるに従って徐々に獣の本性を表し、里に災いをもたらす」
 現代社会では迷信扱いされる民話だが、鞍臥の人たちは今でも、心のどこかで信じている。なぜなら、あたしがその「マガイの子」だからだ――。

 いまは東京で美大生をしている坂見風哩は、8年前に「お山」で従兄が惨殺された現場に立ち会っていた。従兄の死体は獣に食われたようだったが、風哩には事件時の記憶がない。腫物のように扱われる田舎を出たものの、不穏な出来事が周りで続いている。セクハラ教授とのトラブルで訪れた風変わりなスクールカウンセラーとの話で、夢に見る「マガイ」のことをついしゃべってしまい……。
 一方、まだ鞍臥に住んでいる高校生の弟・怜治は、8年前に姉を助けてくれた円藤老人が、砂原という謎の研究者と最近共にいるのが気になっている。砂原ら「聖泉協会」の人間は「お山」の「磨崖仏」を調べているというのだが……。

名梁 和泉[ナバリ イズミ]
著・文・その他

内容説明

東京で美大生をしている風哩は、八年前に「お山」で従兄が惨殺された事件の記憶がない。セクハラ教授とのトラブルで訪れた変なスクールカウンセラーと話すうち、夢に見る「マガイ」のことをつい喋ってしまう。高校生の弟・怜治がまだ住んでいる地元では、「お山」の磨崖仏を調べているという謎の研究者・砂原が暗躍しはじめていて…。姉弟愛がしみる異形モダンホラー。

著者等紹介

名梁和泉[ナバリイズミ]
1970年、東京都生まれ。明治大学卒業。現在、会社員。2015年、『二階の王』で第22回日本ホラー小説大賞“優秀賞”を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nobby

109
面白かった。神隠しにあった子供がマガイ(紛い)という獣になって戻るという伝承。その恐怖を描くホラーと思いきや、主人公 風哩がはたしてマガイの子なのかに絞られる展開。そもそもマガイとは何者で、本当に実在するのか、とにかく気になりページをめくる。それを生け捕りにしようとする怪しいNPOカルト団体や冷たい目を向ける村民達も含め、誰が敵か味方か分からず一気に読んだ。終盤ゴチャゴチャに盛り込み過ぎて分かりにくいのはご愛嬌。それを補うミステリー要素も加わり引き込まれること必至。2017/05/28

ゆみねこ

85
名梁和泉さん、初読み。山で行方不明になった子供が無事に戻って来た・・・。しかし、それは魔物に食われ、同じ姿に産み落とされたマガイ。その伝説がいまだに残る田舎の閉塞感、逃れて東京で暮らし始めた美大生・風哩。怪しいカルト教団が出てきてやや失速した感がありましたが、概ね満足な読後でした。2017/01/11

モルク

75
「二階の王」と世界観が似ているとのことだが、残念なことに「二階の王」をあまり覚えていない。「お山」に行った子はマガイという獣に喰われマガイの子と入れ替わって戻って来る、という伝承。12才のとき従兄弟と山に行った姉、従兄弟は惨殺され姉は意識を失いその記憶がない。姉はマガイの子だという田舎の眼。姉弟の不思議な因果と怪しげなNPO、エロい教授、カウンセラー、同級生誰が敵で誰が味方か。終盤はごちゃごちゃ分かりにくいがまぁそれもご愛嬌かな。敵と対峙するところは小道具は要らないんじゃないかな。2018/06/14

ダミアン4号

61
マガイ=紛い…虐待を受け命を奪われた幼子に代わってこの世に現れる不死身の化け物…幾度も姿を現わすけど正体は不明なまま…主人公の周辺で見え隠れする輩は敵か味方か?怪しげなNPOの不気味さも手伝って読み続けずにはいられない!ところで読み終えてから気がついたんですが名梁さんってあの“ぼぎわん…”と賞を競った作家さんだったんですね〜本当、あの年のホラー大賞は凄かったんだな(未読の“二階の王”を即予約)語り継がれてきた“マガイの子”の伝承にはこんな事実が!世の中が二度とマガイを召喚する事のない世界になる事を願いたい2017/05/28

ちょろこ

60
素材は良かったんだけれど…の一冊。自分はマガイの子なのか…なんて、めちゃくちゃ美味しい素材。でも味付けが微妙という印象だった。ちょっとファンタジー入っているような、怪しい教団だの、今時の子の会話だの…うーん、現代色が強かったのがなんとも微妙な味付けの原因か。でも一気に読めたし、ラストはせつない甘さが舌に残った。ん…つまりは微妙な味付けでも最後は美味しくいただけました、そういうことかしら。2017/06/15

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