花精の舞

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  • サイズ B6判/ページ数 296p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041046340
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

能楽家の娘として生まれた綾は、女ながら能楽師になりたいと志す。東京からロンドン、そしてパリへ──。美を追い求め、舞を追い求めて、明治・大正・昭和の時代を生き抜いた女性の、華麗なる大河小説!

内容説明

明治の世。能楽の家に生まれた綾は、女ながら能楽師になりたいと志すかたわら女子英学塾にも学び、たぐいまれな審美眼をもつ才媛へと成長する。そんな折、綾は親友同士である魅力的な二人の学生と知り合う。二松學舎に学ぶ重光伊織と、帝大に通う高見友則。三人での輝くような青春の日々が過ぎ、やがて綾は伊織と友則、どちらかを選ばねばならない時がくる…。あくまでも自分らしく美を追い求めた、花精のごとき女性の生涯!

著者等紹介

波多野聖[ハタノショウ]
1959年、大阪府生まれ。一橋大学法学部卒業後、国内外の金融機関でファンド・マネージャーとして活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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jam

88
「美と不寛容」を命題とし能楽師の家に生まれた女の一生を描く。まず、作者がこのような小説を書いたことに驚いたが、するすると読む。思えば、金という魔物と対峙して来た作者の眼は正鵠を射ることを常とし、「美と不寛容」が相容れないことを早くから見抜いていたのだろう。究極の美である黄金律は端正かつシンプルだが、カオスに在る美も宇宙の法則のなかに在る。美は自由であり無限、つまり寛容なるところにその本質がある。不寛容の最たる場所に身を置いてきた作者が、この時代に「美と不寛容」を易しく物語に載せた。2018/03/02

マリリン

23
30代の頃「芸術美報」創刊号で「真の美しさを纏った女性たち」というテーマの記事を書く事になり、取材を拒み続けている比丘尼(綾)に会う事を許された佳鶴子が、定年を迎え、比丘尼と共に過ごした時間の中で聞いた綾の生い立ちから今に至るまでの話を回想していく。能楽師の家に生まれた綾の生き様の中で性を超えた愛、粋である事、美の追求...時代背景は新しくないものの、語られる言葉から昇華された意識の清らかさを感じる。綾と夫であった伊織、高見友則、侯爵夫人浪子...。⇒2018/10/15

ひなきち

23
「美」を優雅に描いた小説。ライトで読みやすいけど、骨太な力強さをほのかに感じた。女性の生き方もいろいろあるからね。綾のように「心は自由」に、いつまでも美しい時代に、美しく生きたいものだなぁ。初読み波多野さん、これから注目したい作家さんになりました。2018/02/11

まつどの理系こうし(まりこ)

15
表紙絵に惹かれて手に入れましたが、お話もとっても魅力的でした。「強い女性、自由な女性」と「わがままな女性」を勘違いしている人が僕は好きになれない。そんな人に読んでもらいたい本です。様々な人から積極的に知を得るためには媚びるし、少しわがままも言う。比丘尼(綾)の生き方は”美”を極めて自己満足するのではなく、それで成し遂げたい大きな大志がある。大志のために、必要な”媚び”は”信用”であって、大志のためのわがまま鍛錬である。かっこいい女性とは、こんな人のことだと思う。素晴らしかった。2018/02/08

彩音

12
「美」をここまで追求した作品は初めてかもしれない。美に魅了され能をする主人公。そしてそんな主人公の美しさに心奪われた二人の男性から想いを寄せられた主人公が選んだのは『どちらの方が私を愛してくれるのか』。自由な女性とワガママな女性とは違う。…上手くまとまりませんが、とにかく女性に読んでほしい。2018/02/25

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