出版社内容情報
「真田丸」の戦いの新たな歴史が刻まれる。著者渾身の長篇歴史小説。一六一四年、鳶田の貧しい村で育った佐助は、己に課せられた宿命を果たすため、村を出る決意をした。だが彼は、その時「真田丸」で待ち受ける過酷な運命を知るよしもなかった──。驚愕の新説が展開される歴史小説。
蒲原 二郎[カンバラ ジロウ]
内容説明
1615年、大坂夏の陣。真田信繁の傍らに、真紅の鎧を纏う若武者の姿があった。彼の名は佐助。摂津国の鳶田の集落から大坂の地へやってきた彼には、倒さなければならない仇敵がいた―かつて母親ら家族を徳川に惨殺された佐助は、ただひとり生き延び、貧しい集落に流れ着いたのだ。「真田丸」での鍛錬で、強さを身につけた佐助は、信繁とともに徳川との決戦に挑むが…。史実を丹念に紡いで描いた、新たなる真田戦記。
著者等紹介
蒲原二郎[カンバラジロウ]
1977年静岡県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。大学卒業後、海外を放浪する。帰国後、議員秘書となり、政治家を志すも挫折。現在は家業をつぎながら執筆に取り組んでいる。2010年3月、第10回ボイルドエッグズ新人賞を受賞した『オカルトゼネコン富田林組』(産業編集センター)で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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木賊
13
徳川に家族を惨殺された佐助は、久蔵を助けた縁から真田信繁と知り合い、真田組の一員として大坂夏の陣・冬の陣に参加する。解説によれば徹底的な調査と取材の上で書かれた作品との事で、諸所で俗説とは異なる説を積み重ね、確かにこれまでに読んだ真田丸関係の小説とは、ちょっと異なる雰囲気の作品になっている。終章のどんでん返し(?)がとても良かった。2017/09/30
やま
2
悲壮美のある英雄物語と、土俗的な風俗の描写と、血生臭い戦いのシーンがそれぞれを際立たせていた。最新の研究成果をふまえた上でここまで面白く仕上げたのはすごい。巻末の平山優氏の解説も良かった。2016/12/28
げんしん
1
本の帯にもあるように全く新しい大坂の陣を描いた作品。主人公は佐助という人物。しかし、皆さんが1番に想像する、忍者猿飛佐助とは別人であり、関ヶ原で活躍したある有名な大名の息子。父や母の仇を討つために大坂城に入城し、信繁や大助とともに奮戦、いろいろな登場人物と助けあい時にはぶつかりながらも成長していく。序章は大坂の陣から三年後の陸奥の国から始まりますが、がっつり物語にひきこまれました。最後の終章まで読み進めた時には鳥肌が立ち、涙がでました。2016/07/10