出版社内容情報
今度の怪異はあなたの手の中に――嗤い声が聞こえたら、もう逃げられない。オカルト雑誌で働く藤間は、同僚から都市伝説にまつわる原稿を託される。それは一週間前に不審死を遂げたライターが遺したものらしい。原稿を読み進め「ずうのめ人形」という都市伝説に触れた時――怪異が、始まる。
澤村伊智[サワムライチ]
1979年、大阪府生まれ。東京都在住。幼少時より怪談/ホラー作品に慣れ親しみ、岡本綺堂を敬愛する。2015年に「ぼぎわんが、来る」(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回ホラー小説大賞<大賞>を受賞しデビュー。巧妙な語り口と物語構成が高く評価されており、新たなホラーブームを巻き起こす旗手として期待されている。
内容説明
不審死を遂げたライターが遺した原稿。オカルト雑誌で働く藤間は、作中に登場する「ずうのめ人形」という都市伝説に惹かれていく。読み進めるごとに現実に現れる喪服の人形。迫り来る怪異を防ぐため、藤間は先輩である野崎に助けを求めるが―はたしてこの物語は「ホンモノ」か。
著者等紹介
澤村伊智[サワムライチ]
1979年、大阪府生まれ。2015年「ぼぎわんが、来る」(受賞時タイトルは「ぼぎわん」)で第22回日本ホラー小説大賞“大賞”を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
564
「ぼぎわんが、来る」に続いて、澤村伊智2作目です。今回は「リング」のオマージュホラーでした。ストーリー自体はシンプルですが、著者は文章に恐怖を織り込むテクニックに優れている感じがします。最後は少し呆気なかったですが、怖さの漂い方が半端ないです。貞子が栗原はるみに変身というのも斬新でした。若手のホラー作家として、今後も期待できます!2016/08/26
風眠
468
野崎と真琴が登場して、あ、これは『ぼぎわん』の続編というか、もしかしてシリーズ化を意識している?と感じた。そうなるといいなと思う。この作品も『ぼぎわん』同様、ただの怖い話で終わってはいない。人間が心に抱える弱さ、執着、恨み、残虐性。そういう闇から目を背け「理想的な自分」というものを創り上げていく。周りを支配し、自分に都合よく記憶を書き換えて。かつて貞子と呼ばれていたりぃと交換ノートで親しくなったゆかり。そしてオカルト雑誌編集長・戸波へと繋がり、明らかになる真実と隙間の正体。この流れが素晴らしく見事だった。2016/09/08
yoshida
386
オカルト誌の編集者である藤間は、ライター湯水の変死に遭う。湯水の調べていた都市伝説「ずうのめ人形」は伝染する呪いであり、呪われた者は4日で死ぬ。呪われた藤間は、ライターの野崎、野崎の婚約者である真琴と呪いを解く為に動く。なかなか怖い展開と、伏線の回収が見事ですね。「リング」と「残穢」を読んでいればより一層楽しめると思う。やはり生きている人の気持ちが最も怖い。ラストは後味が悪いのが私的に好みではないかな。「リング」や「残穢」の方が完成度は高いと思うが、比較するのは酷かも知れない。これから期待の作家さんです。2017/10/28
nobby
329
ホラー小説読み慣れない自分には斬新で面白かった!オカルト雑誌への投稿作品「ずうのめ人形」に触れた人が次々と残酷な死を迎える。原稿を読んだ藤間にも黒髪の人形や赤い糸が徐々に忍び寄る様子がもう怖い…その都市伝説の原稿と現実の恐怖が交互に描かれ、中盤からリンクしていくのが秀逸。『残穢』の探索模様にも増してのめり込んでしまった!ラストも衝撃と驚愕が同時にやって来て、読了後しばし呆然。それにしても、最も恐るべしは人間の妬みなのか…すると物語全く解決しておらず続編ぜひ!2016/11/11
takaC
293
ぼぎわんは結構怖かったけど、ずうのめ人形は理不尽な割にはずいぶん中途半端であまり怖くなかった。2017/07/04