出版社内容情報
「父を、殺しに行くのだ」
民俗学者・折口信夫の元に居候する美少女・美蘭がつけはじめた「明後日の日記」。そこには未来の予言が記されていた。大量の水死体発見、折口に依頼される謎の映画脚本、黄泉から蘇るアナキスト――。死者と生者が交錯する世界に、折口、美蘭そして仕分け屋のはずの木島までが巻き込まれてゆく。シリーズ史上最大の「仕分け」をするのは、折口の師・柳田國男。
挿画:森美夏
内容説明
現世と黄泉の境界で、折口信夫と柳田國男が対決。壮大な「仕分け」バトルが始まる―。すべての予想が裏切られる、シリーズ最高傑作。
著者等紹介
大塚英志[オオツカエイジ]
1958年生まれ。まんが原作者、批評家。国際日本文化研究センター研究部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yuki
25
ものすごく読みづらかったわけでもないと思うのに、読み終わるまでかなり日にちをかけてしまった。木島日記、1作目や2作目はこんなにややこしくはなかったはずだけど。大塚英志作品によく触れてる家人に訊いたところ「この人の作品はだいたい巻が進むと難しくなる傾向にある」んだそうで、そんならしゃーないな。「パプリカ」とか「ドグラ・マグラ」を読んだときみたいな感覚になった。衒学的なところとか嫌いじゃないけど、再読にはエネルギーが要るな。2018/01/09
miroku
16
完結。・・・続いていたのか!!2019/05/31
ettyan えっちゃん
9
大塚英志の「木島日記 もどき開口」は、2017年刊行なのに、アマビエやオリンピック中止といった現代を予見するような描写があって、2025年の今読むと時間のずれに戸惑う。百七の恵比寿の帰還、アナキスト大杉栄の復活、甘粕大尉の映画製作など、虚実ないまぜのカオスが展開される。物語は日本の国体の成り立ちにまで迫り、壮大なラストを迎える。過去と現在、虚構と現実が交錯する、「もどき」の世界に引き込まれる一冊2025/01/14
rosetta
9
★★★★★早くも今年のNo.1候補に出会ってしまったかも。ドクラマグラとか虚無への供物に通じる奇書と言えるか。折口信夫をメインキャラにした白昼夢のような、ストーリーを追うことだけで息切れしそうな空想力の氾濫。民族学、神話、日本の歴史、貴種流離譚、小栗判官照手姫。澁澤龍彦ばりに自分の大好きな要素が満載。イザナギとイザナミに棄てられた蛭子は何故オイディプスのように父親を殺しに帰って来なかったのか。無人島に一冊持っていく本の候補に入れたい。2018/02/01
たわらばし
8
読み終わった。長かった。また盛大にぶん投げてくださった。つらつらぐだぐだした割に、「ふーん、で?」というような終わり方はマダラの終わり方と同じだわ。 んで、人が融合するのは、サイコの終わり方と似てる。…。別に終わらせてくれなくても良かったのに!!2018/01/06
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