海に向かう足あと

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海に向かう足あと

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  • サイズ B6判/ページ数 242p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041041956
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

「未来」は、永遠ではない……。心に迫る、切ないディストピア小説!村雲達6人のクルーメンバーは、そう裕福でない日々の中で捻出した費用で、念願の新艇を手に入れる。早速、三日月島をスタートに開催される外洋ヨットレースへの参加を揚々と決める。小笠原諸島近くのその島には申し分ないサービスを提供するホテルがあり、ヨット乗りには夢のような島だった。盛り上がる「大きな少年」たちを、時に辛辣な言葉をかけながらも温かく見守る家族や恋人たち。唯一の懸念は、きな臭い世情不安だけだった。メンバーの一人である諸橋は物理学を専門とし、政府のあるプロジェクトに加わっていたのだ。独身を通してきた村雲は、お礼セーリングに美しい女性輝喜を互いの愛犬二匹とともに連れてきた。若くてフリーターの洋平はシングルマザーとの交際を真剣に考え、ベテランの相原は自分の体力と人生の限界を感じていて、メンバーそれぞれがそれぞれの思いとともにレースに向かおうとしていた。準備のために三日月島に先入りしていたメンバー、しかし合流するはずの諸橋や家族たちが当日になっても到着しない。本人たちの携帯も通じない。やがて一切の通信も凍ってしまい……。世界で何が起きているのか? ――切ない、心に迫る、ディストピア小説。

プロローグ 

1 月天号のころ       
2 白い貴婦人、現る    
3  三日月の島   
4 風に気づくとき   
ブレンダン・コーから村雲佑へのメール

1 それぞれの風
2 ソラとリク
3 お礼セーリング
4 不穏な風
メイヤー副支配人から神谷宗吉へのメール

1 支配人とシェフ
2 回航前      
3 壮行会
4 星と釣りの海
村雲から輝喜へのメール 
四      
1 楽園
2 もう一つの青い空   
3 やってこない人々
4 岸辺
5 前夜
エピローグ

朽木 祥[クツキ ショウ]
広島市生まれ。被爆二世。『かはたれ』(福音館書店)で児童文芸新人賞、日本児童文学者協会新人賞他を受賞してデビュー後、『風の靴』(講談社)で産経児童出版文化賞大賞、『光のうつしえ』(講談社)で小学館児童出版文化賞など数々の賞に輝く。また海外でも高い評価を得て、14年にはミュンヘン国際青年図書館のホワイトレイブンス(国際推薦図書目録)に異例の二点収録。作品はファンタジーからYAまで多岐にわたる。本書は著者初の一般向け小説。

牧野 千穂[マキノ チホ]

内容説明

村雲佑らヨットクルーは、念願の新艇を手に入れ外洋レースへの参加を決める。レース開催の懸念は、きな臭い国際情勢だけだった。クルーの諸橋は物理学が専門で、政府のあるプロジェクトに加わり多忙を極めていた。村雲達はスタート地点の島で諸橋や家族の合流を待つが、ついに現れず連絡も取れなくなる。SNSに“ある情報”が流れた後、すべての通信が沈黙して…。いったい、世界で何が起きているのか?被爆二世の著者が「今の世界」に問う、心に迫る切ないディストピア小説。

著者等紹介

朽木祥[クツキショウ]
広島市生まれ。被爆二世。児童文芸新人賞、日本児童文学者協会新人賞ほかを受賞した『かはたれ』(福音館書店)でデビュー後、『風の靴』(講談社)で産経児童出版文化賞大賞、『光のうつしえ』(講談社)で小学館児童出版文化賞など数々の賞に輝く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆみねこ

79
のどかなヨットマンの物語かと思いきや、衝撃的な結末に驚く。今、世界が不安に満ち溢れている。本の中のことが現実になってしまったら、取り返しがつかなくなる。何でもない日常が一番幸せなのだと思いました。2017/05/01

ゆみねこ

68
この本のラストの衝撃、いつまでもあとを引きそうです。寝る前に読んだので夢見が不穏なものに。2017/05/01

ちょき

62
ヨット乗りから見た終末。世界が戦争へと舵を切る中でもヨットレースに情熱を傾ける人たち。この世の楽園、三日月島。佐伯シェフ、犬のリク、キャプテン村雲と恋人の輝喜。どんな展開かとの期待も一転、人は学ばないというおばあちゃんの言葉が胸に残った。ディストピア。現実に戻れば、今まさに決戦前夜の某国と挑発するアメリカ。ただただ、これ以上人類が誤らないこと、間違えないことを祈るのみである。浜省の「僕と彼女と週末に」がバックグランドで流れている。♪いつか子供達に この時代を伝えたい どんなふうに人が 希望を継いできたか♪2017/04/28

テクパパザンビア

52
面白かった。こんなんがディストピア小説っていうのか…。広島も長崎も前日まではいつもの日常を過ごしてたんだろうなぁ〜と考えさせられた。北朝鮮のミサイルなんか撃ってこないで…お願い〜。2017/07/11

千穂

35
海の男たちのヨットレースにかける日々を描いているはずが、一体世界に何が起きたのか?いつテロが起きても不思議ではない時代。幸せな時間が突然切断されるかも知れない。穏やかな日常にどっぷり浸かっている自分も今の平和の為に働けることはないだろうか?2017/03/30

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