光炎の人〈下〉

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  • サイズ B6判/ページ数 379p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041041949
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

技術の暴走を加速させているのは誰だ!? 技術の光と闇を問う問題作!大阪の工場ですべてを技術開発に捧げた音三郎は、製品化という大きなチャンスを手にする。だが、それは無惨にも打ち砕かれてしまう。これだけ努力しているのに、自分はまだ何も為し遂げていない。自分に学があれば違ったのか。日に日に強くなる音三郎の焦り。新たな可能性を求めて東京へ移った彼は、無線機開発の分野でめきめきと頭角をあらわしていく。そんなある日、かつてのライバルの成功を耳にしてしまい――!?


木内 昇[キウチ ノボリ]
1967年生まれ。出版社勤務を経て、2004年『新選組 幕末の青嵐』で小説家デビュー。08年『茗荷谷の猫』が話題となり、09年回早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞、11年『漂砂のうたう』で直木賞、14年『櫛挽道守』で中央公論文芸賞、柴田錬三郎賞、親鸞賞を受賞。他の小説作品に『浮世女房洒落日記』『笑い三年、泣き三月。』『ある男』『よこまち余話』、エッセイに『みちくさ道中』などがある。

内容説明

大阪の工場ですべてを技術開発に捧げた音三郎は、製品化という大きなチャンスを手にする。だが、それは無惨にも打ち砕かれてしまう。これだけ努力しているのに、自分はまだ何も成し遂げていない。自分に学があれば違ったのか。日に日に強くなる音三郎の焦り。新たな可能性を求めて東京へ移った彼は、無線機関発の分野でめきめきと頭角をあらわしていく。そんなある日、かつてのライバルの成功を耳にしてしまい―!?

著者等紹介

木内昇[キウチノボリ]
1967年東京生まれ。出版社勤務を経て、2004年に『新選組 幕末の青嵐』で小説家デビュー。08年『茗荷谷の猫』が話題となり、09年早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞。11年『漂砂のうたう』で直木賞、14年『櫛挽道守』で中央公論文芸賞、柴田錬三郎賞、親鸞賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

490
わたしが苦手とする日本の近代史、さらにちんぷんかんぷんな電気の仕組みを、補って余りある見事な作品であった。電気「もの狂い」の音三郎は、読む者に一切の感情移入を許さない。彼はそんなレベルには居ないからだ。(正直わたしには、元カノのおタツへの仕打ちはしんどかった)。独特の流れるような美しい文章で、彼の人生を書き尽くした。門外漢のはずの木内さんが、敢えて電気を描こうとした気概に惚れた。改めて彼女の作家としての引き出しの多さを思う。2020/07/12

いつでも母さん

135
時代に抗い、時代に求められ、時代に流され、そしてのこの最期はあまりに虚しくはないだろうか!完全文系の私には難しいところが一杯で読了にとても時間を要した。それでも何かを追求する人の姿は胸を打つ!で終わりだったら良かったのに・・人の心はままならないなぁと正直思うのだ。音三郎は悪くない!なんて言えないからちょっと哀しい。金海の姿がいっそ清々しく思うのだ。木内作家、渾身の力作だろうが下巻は特に複雑だった。それ故疲れた読書だった。再度、そりゃあ無いよ・・と云いたい。2016/11/02

なゆ

103
読み始めた時は、「電気は、人々を救うのだ」という想いを形にするための長い物語なのだろうと思っていたのだが…。大阪から東京そして満州へと舞台を変え、無線機の開発と実用化に没頭していく音三郎。開発が進むほど、音三郎からは何かが切り捨てられていってるようなうすら寒さも。どういう思いで読み続けていけばいいのか、複雑だった。どこで歯車は狂ったのか。確かに物狂いすぎて、それ以外のことには気が回らなかったのかもしれない。それゆえの哀しい結末だったのか。向かう道は違うが、利平もどこか似た危うさを感じてしまった。2016/12/21

ゆみねこ

98
どっしりとした読み心地。音三郎がどんどん変貌してゆく姿、読んでいて辛かったです。大正から昭和、日本が戦争へと突き進んでゆく時代、ハッピーエンドではない物語なので面白いという感想にはなりませんが、印象に残る作品です。2017/02/02

nico🐬波待ち中

96
田舎にいた頃の音三郎は大人しくて純朴な若者だった。田舎から大阪、東京と場所を移し、小さな町工場の職工から官営の軍需工場の研究員に。小学校もまともに卒業していないのにインテリ達と共に仕事をしても引けをとらない…出世街道まっしぐらで夢も叶ったかに思えたのに、彼は現実の壁に立ち塞がれる。上巻とは違い下巻は読み進める内に胸苦しくなってくる。「必ず成功してやる」彼の強気の野心が虚しい。ラストの幼馴染みとの対峙は遣りきれない。自分の技術にプライドを持った男の夢は、現代に生きる技師達に受け継がれていると信じたい。2017/12/02

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