出版社内容情報
谷川の岸にある小学校に転校してきたひとりの少年。その周りにはいつも不思議な風が巻き起こっていた――落ち着かない気持ちに襲われながら、少年にひかれてゆく子供たち。表題作他九編を収録。谷川の岸にある小学校に転校してきたひとりの少年。その周りにはいつも不思議な風が巻き起こっていた――落ち着かない気持ちに襲われながら、少年にひかれてゆく子供たち。表題作他九編を収録。
宮沢 賢治[ミヤザワ ケンジ]
著・文・その他
内容説明
どっどどどどうど…青いくるみも吹きとばせ すっぱいかりんも吹きとばせ…山の谷川の岸にある小さな小学校に、大風の吹いた朝、ひとりの少年が転校して来た。次の朝、その少年が登校して来ると、土手の草が、ざわざわ波になり校庭に小さなつむじ風がまいた。谷川の小学校の子供たちは、その少年があらわれて以来、ふしぎに落着かない気持ちにおそわれた。表題作ほか8編を収録。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
53
やっぱり好きだと思わずにはいられません。賢治の多彩な世界にはまります。自然に溶け込むような日々が賢治の童話の世界に反映されているのですね。2022/03/04
優希
47
賢治の紡ぎだす童話に引き込まれました。多彩な物語の世界に彩られた自然に無意識のうちに魅了されているのでしょう。情景が文字になるからこそ味わえる不思議な余韻があります。2023/03/25
優希
39
再読です。賢治の多彩な世界が広がっていました。様々な顔を持っていると思わずにはいられません。2023/11/19
こだまの本棚
21
池澤夏樹さんの解説まで読んで読了。童話として読むのだから軽い気持ちで…と読み始めたものの、意外と読み解くのが難解で、物語も奥深かった。短編がいくつか入っているが、どれも印象が違う。160pこれ一冊でかなりの満足感がある。個人的には『祭りの晩』がとても好きだった。素直な性格には心打たれてしまう。宮沢賢治の作品をしっかり読んだのは初めてだったが、舞台としても比喩としても「自然」に関する描写が多い。作者の生い立ちなども知りたくなる。世間で普通に起こるちょっとした出来事を思い浮かべるような身近に感じる物語が多い。2023/12/28
東京湾
16
「私の行くところは、ここのように明るく楽しいところではありません。けれども、私共は、みんな、自分でできることをしなければなりません」子供の世界、自然の世界、幻想の世界...宮沢賢治はすべてを描く。かつて自然の一部として生きた人間の姿、そこに不思議な郷愁を誘われる九篇。失われてしまったもの、忘れられてしまったものを、宮沢賢治の童話は思い起こさせてくれる。童話という形でしか描くことのできない純粋自然な人間の在り方が、風に乗せられた土の匂いと共にふわりと伝わって来た。宮沢賢治の童話はいつ読んでも変わらず美しい。2019/05/24
-
- 和書
- わたしはドレミ