望み

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  • サイズ B6判/ページ数 344p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041039885
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

平穏だった家族が少年事件によって崩れていくさまを描く心理サスペンス。東京のベッドタウンに住み、建築デザインの仕事をしている石川一登(いしかわかずと)と校正者の妻・貴代美(きよみ)。
二人は、高一の息子・規士(ただし)と中三の娘・雅(みやび)と共に、家族四人平和に暮らしていた。
規士が高校生になって初めての夏休み。友人も増え、無断外泊も度々するようになったが、二人は特別な注意を払っていなかった。
そんな夏休みが明けた9月のある週末。規士が2日経っても家に帰ってこず、連絡すら途絶えてしまった。
心配していた矢先、息子の友人が複数人に殺害されたニュースを見て、二人は胸騒ぎを覚える。
行方不明は三人。そのうち犯人だと見られる逃走中の少年は二人。息子は犯人なのか、それとも……。
息子の無実を望む一登と、犯人であっても生きていて欲しいと望む貴代美。揺れ動く父と母の思い――。
『火の粉』の不穏な空気感と『クローズド・ノート』の濃密な心理描写。
両方を兼ね備え、執筆時、著者が最も悩み苦しみ抜いた、渾身の力作。



雫井 脩介[シズクイ シュウスケ]
1968年愛知県生まれ。専修大学文学部卒。2000年『栄光一途』で第4回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。05年に『犯人に告ぐ』で第7回大薮春彦賞を受賞し、ベストセラーとなる。その他の著書に『虚貌』『火の粉』『ビター・ブラッド』などがある。

内容説明

東京のベッドタウンに住み、建築デザインの仕事をしている石川一登と校正者の妻・貴代美。二人は、高一の息子・規士と中三の娘・雅と共に、家族四人平和に暮らしていた。規士が高校生になって初めての夏休み。友人も増え、無断外泊も度々するようになったが、二人は特別な注意を払っていなかった。そんな夏休みが明けた9月のある週末。規士が2日経っても家に帰ってこず、連絡する途絶えてしまった。心配していた矢先、息子の友人が複数人に殺害されたニュースを見て、二人は胸騒ぎを覚える。行方不明は三人。そのうち犯人だと見られる逃走中の少年は二人。息子は犯人なのか、それとも…。息子の無実を望む一登と、犯人であっても生きていて欲しいと望む貴代美。揺れ動く父と母の思い―。

著者等紹介

雫井脩介[シズクイシュウスケ]
1968年愛知県生まれ。専修大学文学部卒。2000年に第4回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作『栄光一途』でデビュー。04年に『犯人に告ぐ』を刊行、翌年には第7回大藪春彦賞を受賞し、ベストセラーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

687
雫井脩介は、新作中心に読んでいる作家です。フィクションでありながら、ノンフィクションのような心理サスペンス、一気読みしました。著者の新たな代表作としても良いかも知れません。高校生の息子を持っている以外にも、主人公家族と多少共通点があり、同様の事件が自分たちに起きたらどうするか、身につまされる思いで、色々考えさせられました。2016/09/28

ウッディ

606
高校生の息子の行方不明と時を同じくして起こった殺人事件。徐々に、息子が事件に無関係ではないことが明らかになってくる。連絡を絶った息子は、事件の加害者なのか、それとも被害者なのか?殺人犯であっても生きていてほしいと願う妻、息子が殺人を犯すよう人間ではないと信じる夫。いずれであっても、家族は被害者でしかありえない。実際に体験したかのようなリアリティで、家族の心を揺れが描かれており、ラストまで一気読みでした。もし自分が同じ立場だったら、どちらが「望み」なのか、考えさせられる小説でした。面白かったです。2018/02/28

hit4papa

567
行方不明となった高校生の息子は、殺人事件の加害者か?それとも被害者なのか?息子が生きていれば加害者であることを、被害者であれば死んでいることを意味します。この二者択一に、父と母の心は千々に乱れます。罪を犯して欲しくないと思う父。生きていてくれることだけを願う母。本作品は、もし我が子であったなら、という問いを突き付けます。丹念に描かれた登場人物たちの心の動きに、胸をつかれてしまうでしょう。いつの間にかすれ違ってしまった親子の、いずれ分かり合えていたはずの思いが、辛くのしかかってきます。名作です。2016/09/19

まちゃ

473
ラストの切ない結末に涙が頬を伝いました。息子の無実を望む父親と、犯人であっても生きていて欲しいと望む母親。同世代の子供を持つ親として、「望み」という題名の意味が胸に迫る物語でした。今年を締めくくるにふさわしい力作でした。2016/12/30

milk tea

387
読んでいくにつれ、「望み」の深さを知ることとなる。加害者でも生きてて欲しいと願うのか、人を殺すようなそんな人間ではないと信じたい、たとえ最悪の事態が待っていようとも被害者であることを望むのか。親として、気持ちが両方に大きく揺れ動く。結果がどっちであっても幸せは取り戻せない。こんなに悲しいことはない。2017/03/16

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