108年の幸せな孤独―キューバ最後の日本人移民、島津三一郎

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108年の幸せな孤独―キューバ最後の日本人移民、島津三一郎

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041038420
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

時代に翻弄されながら、異国の地で懸命に生きた日本人が秘めていた思いとはキューバ革命、冷戦、国交回復……カリブの小島に住む108歳の日本人移民。新潟県生まれの島津三一郎氏はスイカを育てて暮らしたが、一度も日本に帰国しなかった。なぜか。静かな感動に包まれるノンフィクション。

プロローグ ?108歳、日本人移民の穏やかな一日

第1章 テレビが繋いでくれた90年の空白

99歳の老人との思いがけない出会い
時間と空間を超えた中学校校歌
視聴者からの思いがけない電話
足跡をたどって新潟へ
浅香徳治という謎の人物
なぜ通っていない学校の校歌を歌ったのか

第2章 島津さんが暮らす小さな島へ

フライトもキューバスタイル
待ち焦がれた再会
車いすに乗った島津さん
故郷新潟のお米
移民した日本人のはじまりの地
移民排除の気風の中で
移民の互助組織「松島日本人農業組合」

第3章 敵国視された第二次大戦、移民排除の空気のなかで

日本人というだけでとらえられる
知られざる収容所の生活
月に一度だけの面会
地域のキューバ人たちからの支え
語られない収容中の生活
無念さに思いをはせて
スイカ栽培に見た夢

第4章 キューバ革命を闘った日系人

フィデル・カストロの蜂起
革命の兵士となった日系人との出会い
18歳で革命軍へ身を投じた日系人
日系二世の複雑な思い
チェ・ゲバラからの呼びかけ
キューバ革命の勝利

第5章 革命がもたらした平等、そして夢の終わり

一変した日本人の農業
世界が滅亡に最も近付いた「キューバ危機」
いつか日本に帰って……夢の終焉
豚や猫たちと暮らしていた島津さん
半世紀を超える望郷の思い
ソ連崩壊――まやかしだった好景気
姿を消したスイカ
アメリカとの半世紀ぶりの国交回復
姿を消した親友――革命の功罪

第6章 108回目の誕生日

誕生日会へ向けて
健康寿命を支えるキューバの医療
いまさら禁煙?
医療はビジネスではない
使命感にあふれる医師たち
巻き寿司でお祝い
背中からのメッセージ

エピローグ

中野 健太[ナカノ ケンタ]
1978年、京都府生まれ。映像ジャーナリスト。ロンドン芸術大学の映像学科を卒業後、キューバの番組制作会社で映像を学び、帰国。ドキュメンタリー制作会社で数多くのドキュメント制作に携わる。現在は、フリーランスの映像ジャーナリストグループASIANEWSに所属し、京都文化社の代表として活動。テレビ朝日系「テレメンタリ―」(幸せの指標―世界が注目するキューバ医療―)、TBS系「情熱大陸」(石巻日日新聞)、テレビ東京系「ガイアの夜明け」(新幹線が拓く!新たな挑戦)などを制作。

内容説明

キューバに魅せられ、取材を重ねていた著者は、100歳間近の日本人移民が、今も暮らすことを知る。小さな島の老人ホームで暮らす島津三一郎。足跡をたどるなかで、移民たちの知られざる姿が浮き彫りになっていく。第二次世界大戦中、敵国人として強制収容された男性、キューバ革命に参加した日系人、そして―。フィデル・カストロが率いた独裁国家で、誇りを持ち、懸命に生きた移民たちに光を当てたノンフィクション。

目次

第1章 テレビが繋いでくれた90年の空白
第2章 島津さんが暮らす小さな島へ
第3章 敵国視された第二次世界大戦、移民排除の空気のなかで
第4章 キューバ革命を闘った日系人
第5章 革命がもたらした平等、そして夢の終わり
第6章 108回目の誕生日

著者等紹介

中野健太[ナカノケンタ]
1978年、京都府生まれ。映像ジャーナリスト。ロンドン芸術大学の映像学科を卒業後、キューバの番組制作会社で映像を学び、帰国。ドキュメンタリー制作会社で数多くのドキュメント制作に携わる。現在は、フリーランスの映像ジャーナリストグループASIANEWSに所属し、京都文化社の代表として活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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kawa

15
20歳のときにキューバに移民して、日本に一度も里帰り出来ず、昨年(2016年)108歳で亡くなった島津三一郎さんの一生を追ったドキュメント。ご本人からは、その労苦をあまりインタビュー出来なくて、周辺取材からその姿やキューバの時々の様子が浮き彫りになる。「私はお金をもっていない。だから、長生きすることができたんです」運は良くなかったが、確かに「幸せな孤独」だったのかもしれない。キューバの歴史や現在を知ることができたことも有益だった。2017/09/27

オカヤン

10
図書館。主人公は1820年代に新潟から、キューバに移民として出稼ぎに行った島津さんの物語。キューバの歴史を初めて学んだような。スペインに400年支配されて、その後100年はアメリカ。1920年をピークに砂糖バブルが減退。良くも悪くも影響力、アメリカとソ連、革命かそうでないか、に揺さぶられる国民。生きることを、島津さんの生き様から、感じることが多すぎて、自分の心が揺さぶられる。正解はなく、探し続け、動き続けるしかないのかな。2024/10/05

sasha

5
カナダやアメリカ、ブラジルへのようにキューバに渡った日本人移民がいたんだね。島津三一郎さんは移民一世にして、独身のままカリブ海の島で108歳の生涯を閉じた。太平洋戦争の際の親米政権下での強制収容、キューバ革命、キューバ危機、アメリカによる経済制裁、ソ連崩壊。歴史の波に揉まれながら精一杯生きた人。ご本人は多くを語っていないが、丹念に取材して書かれているのだが、言葉の遣い方や句読点の打ち方等、引っ掛かることが多く、何度か読み直さなければならない文節があったのが残念。もっと文章力のある著者ならよかったかも。2017/05/18

Okitaina

3
キューバに日系移民がたくさんいるという事実すらあまり意識してこなかったけど、 第二次世界大戦、キューバの砂糖価格暴落、キューバ革命、社会主義化、現在も世界中で話題になっている移民問題、あるいは医療、福祉についても そんなストーリー、視点があったのか、と気付かせてくれた一冊。 本当に読んでよかった。2018/02/08

sato yoko

3
キューバ移民一世の島津三一郎さんは日本に一度も帰国することなく独身のまま108歳の人生を終えた。彼を通して移民生活とキューバに焦点をあてた本。古さとの高校の校歌を歌う島津さん、実は彼はこの学校の卒業生ではなかった。こんなエピソードなど丁寧に取材された興味深い話が満載だった。島津さんの生きた時代は日本にいたとしても厳しい時代。書名に『幸せな孤独』とあることから島津さんはきっと幸せだったのだろうと思わずにはいられなかった。2017/05/06

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