出版社内容情報
この十手に新たな人生を賭ける! 目明しの手下となった若者の成長物語。
掏摸だった六松は目明し〈稲荷の紋蔵〉に見出され、手下となった。紋蔵の口利きで六松が長屋に家移りして早々、住人の一人が溺死。店子達の冷淡な態度を不審に思った六松が調査を始めると、裏には思わぬ陰謀が……。
内容説明
掏摸だった六松は、江戸で評判の目明し“稲荷の紋蔵”に見出され目明しの修業を始めた。孤児で荒んでいた六松だが、紋蔵のもとで徐々に真っ直ぐな心根を取り戻し、やがて手下として認められる。だが大伝馬町の長屋に家移りして早々、住人の一人が溺死。店子達の冷淡な態度を不審に思った六松は探索を始めるが、裏には思わぬ陰謀が…。十手持ちになった若者の奮闘と町の人々の哀歓を優しい筆致で描く著者の新たな代表作。
著者等紹介
田牧大和[タマキヤマト]
1966年東京都生まれ、明星大学人文学部英語英文学科卒。市場調査会社に勤務の傍らインターネット上で時代小説を発表。2007年「色には出でじ風に牽牛」(『花合せ濱次お役者双六』に改題)にて第2回小説現代長編新人賞を受賞し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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わんこのしっぽ
31
駆け出しの目明し六松が事件を解決しながら成長していくストーリー。田牧さん一冊で終わらすには惜しい話をそのままにすることが多いですがぜひ続編を。2016/01/29
み
28
う~ん、この作家さんなので期待しすぎちゃったのかも。六松さんの魅力がちと足りないような…。お話しも何かスッキリしないし。西村屋さんの件が終わってないので続編がありそうですね、2作目に期待します♪2016/04/27
信兵衛
21
上手いなぁ、本当に上手い! 主人公を始め、登場人物たち各々の人物造形がすごく良い。 是非続編を期待したいところですが、田牧さん、単発で終わりにしてしまうことが多いんだよなァ。2016/02/18
anne@灯れ松明の火
20
掏摸だった六松は、目明し“稲荷の紋蔵”のもと、生き直すことを決意。「真っ平(ひたらすら)真っ新(新しい)」と自分に言い聞かせながら、憧れの親分、信頼できる兄貴分・新助、優しい親分のおかみさん、幼なじみのおみっちゃん。プロローグは不穏だったが、ほのぼのした話になるかと思えば、やはりそうは行かない。六松は昔の稼業に戻ることなく、やり通せるか? 親分の狙いは何か? おみっちゃんは無事か? 完結はしているが、師弟関係など、ちょっとスッキリしない。2016.1出版後、続編が出ていないようで残念。2020/05/15
木漏れ日の下
16
田牧大和さんの未読の時代小説ということで借りてきました。元・掏摸の六松。<稲荷の紋蔵>の手下として働き出す。ちょっと気短で真っ直ぐすぎるとこもある六松にやきもきしながら読みました。紋蔵親分の魅力をもっと知りたいし、おみっちゃんと六の今後も楽しみだから続編を希望します♪2018/04/21