出版社内容情報
怪我を負って記憶を失い、一膳飯屋「しみづや」の前に倒れていた男──新助と名付けられた者の正体は、幕府の御庭番・喜多新十郎だった。だが、彼の心は人々との出会いにより、変わろうとしていた……。
内容説明
怪我を負って記憶を失い、一膳飯屋「しみづや」の前に倒れていた男―新助と名付けられた者の正体は、幕府の御庭番・喜多新十郎だった。荘内藩へ料理人を装い潜入していた新十郎は、領地替えに関わる重要な書状を老中に届けるため、江戸に向かっている途中で追っ手に襲われたのだった。藩民の運命を左右する密命を帯びていた新十郎。だが、彼の心は「しみづや」の人々との出会いにより、変わろうとしていた。書き下ろし長篇。
著者等紹介
倉阪鬼一郎[クラサカキイチロウ]
1960年三重県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社勤務を経て、98年より専業作家。幻想小説、ホラー、ミステリ、時代小説を中心に活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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izw
10
盛り上がって完結したような終章だったが、この後続くのだろうか。新助とおさよの新しい人生を舞台とした物語を期待したいところだ。2015/09/12
ロックイ
3
元御庭番の料理人新助が主人公の影絵巻シリーズ第二段。おさよと共に生きていく事を誓った新助ですが追われる身なのは変わらず、しみづやに迷惑をかけるかもしれないという思いが消えないまま。しかし、そんな新助を支えようとする人情がどこまでも清く、読んでいるこちらの心にまで染みてくるようでした。料理が一助になっているのは言わずもがなですが、何よりも、品川の町人たち、荘内藩の世直し人、農民、そして新十郎の母と妹等々、人々の飾らない心とぶれない心が真っ直ぐ伝わってくるからだと思います。優しい気持ちになれる作品です。2016/09/26
真理そら
2
1,2巻を続けて読んだ。品川人情串一本差で登場した人々のその後が分かるのが楽しかった。ただ父と息子の関係はすっきりしない思いが残った。職務に忠実な父の生き方はやや(かなり?)行き過ぎだとしても、こんなむごい結末になる程罪なことだろうか…ともやもや感が残った。2017/03/19
市之丞
1
今回は料理の話は少なめだった分、人としての生きかたを問う話だった。ただ、父を悪としない方が作品として厚みを増したのではないだろうか?2015/08/18
ちゅるふ
1
品川方面は、落ち着いたな。2015/05/24
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