出版社内容情報
美貌の高級娼婦マルグリットはパリの社交界で金持ちの貴族を相手に奔放な生活を送っていた。だが、青年アルマンに出逢い、彼女は初めて「愛」というものを知る。パリ近郊の別荘に駆け落ちした二人だが……。
内容説明
パリの社交界で、金持ちの貴族を相手に奔放な生活を送っていた美貌の高級娼婦マルグリット。純粋でひたむきな青年アルマンに出逢い、その深い愛情に心うたれた彼女は、都会での享楽的な生活を棄て郊外へと向かった。だが、セーヌ左岸の村ブージヴァルの別荘で、二人だけの生活が始まった矢先、アルマンの父親が二人の仲を引き裂くためやってきた。アルマンを心より愛するマルグリットは、苦渋の選択を迫られることになる―。
著者等紹介
フィス,デュマ[フィス,デュマ] [fils,Alexandre Dumas]
1824年7月27日、作家であるアレクサンドル・デュマ(1802‐1870)とお針子のカトリーヌ・ロール・ラベーの間にパリで生まれ、私生児として届けられる。48年に『椿姫』を出版、一躍脚光を浴びた。74年、アカデミー・フランセーズの会員に選ばれる。95年11月27日死去
西永良成[ニシナガヨシナリ]
1944年生まれ。東京大学文学部フランス文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セロリ
49
高級娼婦のマルグリットとアルマンの恋物語。お互いに愛し合っていると訴えても、親からみれば娼婦と息子の付き合いなど許せるはずもなく、バレた時点で親の介入による別離は避けられない。他の男に乗り換えたと言って身を引くマルグリット。それを真に受けたアルマンの復讐には、呆れた。これは立派なストーカー行為では?そうやって酷い目にあわせておきながら、マルグリットに会うと愛の言葉を吐くっていうのは、まさにDV男のやり口だ。有名な海外の小説だから、私に読めるかなと構えていたけど心配無用だった。面白かった。解説も読むべき。2022/12/07
イノ
22
幼く情けなく嫉妬深い青年貴族と今を華やかに生き急いでいる娼婦の物語。悲恋だけじゃ終わらない。 巻末の解説がまた面白く、当時の時代背景や話題なった理由が語られ面白さが2重3重に深みがでて必見です! よくここまで包み隠さず書いたなとそういう意味でも驚いた! オペラや映画でさらに昇華されているらしいが小説の方が好き。久々に魂の震える1冊。2017/11/29
ココロココ
15
猫町倶楽部・名古屋月曜会の課題本。これが純愛なのか。作者の自伝のようなものなのか。ネタバレせずに感想を書くのは難しい。今みたいに携帯がない時代だと、手紙を書いて使いの者に渡して、返事をもらうのね。昔の人は大変だ。2015/10/04
だい
13
金持ちに貢がせ優雅な生活をしながらも、心を閉ざした娼婦マルグリットだが、彼女のすべてを認め愛し続けるアルマンに少しずつ心を開いていく。いつも白い椿を身につけていた椿姫。最後の手記には聡明さや誠実さが感じられるが、娼婦という事実は社会的に厳しい立場であった事を思い知らされる。また、誰かに愛されたいという寂しさをアルマンに求めたのではないかと悲しくなる。しかし、お互いを命がけで求めあう、人を愛するという事はこんなにも素晴らしい。2016/03/07
高橋光司
12
不覚にも、作品の素晴しさに感動してしまいました。 今年、惜しくもピアニストの中村紘子さんが亡くなりましたが、思い出したのは学生時代に数冊読んだ彼女の夫の庄司薫の本のことです。 芥川賞受賞作の「赤ずきんちゃん気をつけて」には、主人公の薫君が「椿姫」を読んで感動したが、そんな話をすると友人達は相手にしてくれない、(判る気がします。) と云うような事が書かれていて、いつかは読んでみようと思ったもんですが、あれから40年近くも経ってやっと読むことが出来た訳です。 名作として残る作品は、やはり読む価値がありますね。2016/10/07
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