出版社内容情報
宅急便やさんも2年目を迎え、コリコの街にもすっかりなじんだキキとジジ。でも大問題が持ち上がり、キキは魔女をやめようかと悩みます。人の願い、優しさ……キキは、再び新たな旅立ちを迎えます。
内容説明
宅急便屋も2年目となり、キキの仕事は順調です。奇妙な病気にかかったカバ、木の歌声、なんと散歩という目に見えないものまで運び、町の人にも温かく迎えられます。そんなとき、1通の黒い手紙を届けるように頼まれ、もしかしたら運んでいるのは優しい気持ちだけではないかもしれないと悩むキキ。魔女としての自覚や自信喪失を経て、人の気持ちを思いやり、人生の大切なものに気づいていく、少女の成長を描きます。
著者等紹介
角野栄子[カドノエイコ]
東京生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。25歳からのブラジル滞在の体験を描いた『ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて』で作家デビュー。以来、第一線で活躍する。1982年『大どろぼうブラブラ氏』で産経児童出版文化賞大賞、84年『わたしのママはしずかさん』で路傍の石文学賞、『ズボン船長さんの話』で旺文社児童文学賞、『おはいんなさい えりまきに』で産経児童出版文化賞、85年『魔女の宅急便』で野間児童文芸賞、小学館文学賞、IBBYオナーリスト文学賞など多数受賞。2000年紫綬褒章受章、14年旭日小綬章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ありす
46
ちょっと不思議な話にホッコリする話。とても楽しかったです。特に『空色のかばん』『運動靴』の2話が良かったです。思春期ならではの悩みも可愛らしく、これからどうなっていくか楽しみです。【シリーズ2作目】2020/04/02
Roko
34
魔女だからいろんなことを頼まれるけど、キキにできるのはほうきで飛ぶことだけだから、わたしはこのまま魔女をやってて大丈夫かしら?って心配になることもあります。でもね、大丈夫だから、キキには魔法以外の才能もあるんだからって、パン屋のおソノさんも、とんぼさんも、町長さんも、もちろんジジも、みんなが応援してくれます。そして、あのおじいさんが教えてくれた「さんぽを運ぶ」って、凄くいいことですよね。さんぽをしながら出会った人たちとのおしゃべりから、いろんなことがわかってきたキキは、きっと立派な魔女になりますよ。2023/07/15
ソルト
23
二冊目。コリコの町へやってきて二年目となった14歳の魔女キキ。今回もいろんなものをおとどけしますがあるお届けもので自分のお仕事について考えてしまいます。お客さんの喜ぶ笑顔の為にお仕事しているけれど、実はそのお届けものにより相手を不快にしているのではないかと思い、相棒のジジやほうきともギクシャク。飛ぶ以外にも何かできることをと故郷に帰ってからはお母さんに魔法を教えてもらったりと成長していきます。2021/11/17
みけ
21
魔女といっても空を飛ぶことしか出来ないキキ。人を石に出来る?魔女だからなんでも見えるんだ!木の声を聴いた事ないの?そんな事を言われるのは慣れっ子だけど、少しづつ澱の様に溜まっていく。それでも唯一の魔法を活かし、人々に幸せを運ぶ事を誇りとしていたキキにちょっとした悪意が降りかかる。魔女でいる自分を悩むキキに、答えが出せないモヤモヤばかりが募っていく。そしてなんだかこの巻は切ない出会いばかり。2019/01/22
さつき
21
里帰りから戻ってきたキキ。2年目になった宅急便屋さんは、ますます不思議なものを運ぶことになります。しょっぱなのかばから驚きました。私のお気に入りはりんごを運ぶお話しです。時計屋さんとおばあさんの優しさが素敵です。さんぽを運ぶお話しも、沁み渡るように悲しくて、とても心に残りました。キキが成長していってコキリさんとちゃんと向き合い、薬の作り方を習おうと思うのは素晴らしいことですね。とても心が温まる物語でした。2016/03/05