出版社内容情報
幼い息子が口にする「だまだまマーク」ということばに隠された秘密、夢で聞こえる音が生活を脅かしていく異様さ……ふとした瞬間に歪む現実の風景と不協和音を端正な筆致で紡ぐ。読む者を恐怖に誘う豪華怪談競作集。
内容説明
幼稚園に通う息子が口にする「だまだまマーク」という言葉に隠された秘密、夢の中の音や風景が現実に滲み出して追いつめられてゆく恐怖、ひょんなことから少女が目にしてしまった女性の顔を持つ鯉…。しっかりと目を開けていたはずなのに、ふとした瞬間に歪む風景と不穏な軋みを、卓越した書き手たちが端正な筆致で紡ぎだす。現実と虚構のあわいに花開く幻夢10篇が読者を魅了する、書き下ろし怪談競作集。
著者等紹介
東雅夫[ヒガシマサオ]
1958年神奈川県生まれ。アンソロジスト、文芸評論家。元「幻想文学」編集長で、怪談専門誌「幽」の編集長を経て、現在は編集顧問。『遠野物語と怪談の時代』(角川選書)で第64回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
66
怪談実話系、今回のテーマは夢である。これこそが実話系、夢を見るという行為に於いてはどの様な突拍子もない怪異でもそのままに描写されているとすれば全ては事実である。一方普段の怪談に於いては例えば祟られた本人にしか感じ取れない霊は果たして実在しているといえるのだろうか?その精神状態がおかしくなった為の幻覚として片づけられるのでは…となれば霊とはそれを感じ取るものだけに開かれる現象「アナタハレイヲシンジマスカ!」信じる者は祟られる。となれば夢はその霊より現実的、身近で恐ろしいものかも知れない。おやすみなさい。2016/08/03
NADIA
52
夢なので整合性が取れてなくて当たり前だが、実話だとしたら実に恐ろしいと思ったのが「だまだまマーク」。かわいらしい話だと微笑ましく思っていたところに冷水を浴びせられた思い。「そらみみ」は星新一ワールドっぽかった。回復のために寝るのに悪夢を見るなんて、睡眠を司る何者かのものすごい悪意を感じてしまうなあ・・・。 2017/05/04
瑞佳
49
美しい真紅が目を引く装丁、ジャケ買いもありなイラスト。10人の作家による実話系怪談のアンソロジー。しかしながら「夢見」がテーマのためかそれほど歯の根が合わないようなガチガチのホラーといった風ではなく、どちらかというと奇譚といったニュアンスの短編集。印象深かったのは内藤さんの『恋ひ塚』しっとりとした情緒がありこれぞ怪談といった風情で、読了後の切なさもぴか一。皆川さんの『メタ・ドリーム』は語り口がとても軽快でかっこよく、悪夢との付き合い方がこれまたおしゃれ。そしていちばんのお気に入りは添田さんの『そらみみ』→2016/10/31
ピロ麻呂
46
前回よりひゃっとする怪談実話でした(T_T) やっぱり霊感が強い人は不思議な体験をするもんかな?僕はないなぁ(^-^)2016/11/06
yu
34
Kindleにて読了。 夢にまつわる実話系怪談短編集。とのことだったか、実話?っぽくは感じないかな。説明がつかない不可思議な出来事を、自分なりの解釈で懐に収めた的な感覚。ちょっと期待外れな感が否めない。2016/08/14
-
- 電子書籍
- いちばんうしろの大魔王ACT5 HJ文庫
-
- 和書
- もう一つの旅路