内容説明
1963年夏―。政治家の肝いりで労働者向け近代アパートの建築が決まり、人々の期待が大きく膨らむ。賢治も恋人・弓子とともにそこで暮らすことを夢みている。そんなある日、アパートの建築現場の足場から労働者が転落してしまう。あろうことかその場の人々は、遺体をそのままコンクリートの中に埋めてしまうが、賢治はその一部始終を目撃してしまった。警察にも相手にされず、このままみなの夢のために黙っているべきかと苦悩する一方、賢治の身にも危険が迫る。賢治が選んだ道とは―。寺山修司が20代に書いた幻の戯曲。生誕80年を記念して、初の書籍化!
著者等紹介
寺山修司[テラヤマシュウジ]
1935年、青森県生まれ。早稲田大学在学中より歌人として活躍。67年、演劇実験室「天井棧敷」創立。劇作家・詩人・歌人として数多くの作品を発表し、演出家としても世界的名声を獲得。83年5月4日、肝硬変と腹膜炎のため敗血症を併発し死去、享年47(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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らむり
47
アパート建築現場で、事故で死んだ作業員を遺体のままコンクリート詰めにしてもみ消し。2015/06/24
りえこ
20
とてもロマンのある、時代を感じるお話でした。こういう作品、たくさん上演されると良いと思います。2017/11/16
yogi
10
9月5日に阪神西宮にBARを出店した。この様な情報はこの場で書くべきではないのかも知れないが久々に寺山修司の本を読み胸が躍ったのだ店は勿論暇だ暇で良い筈はない。そしてこのタイミングでこの本を手に取り読んだ楽しませてくれた笑えたちょっと考えた現実の背中を見ながら楽しく読めた。単純に良かった2015/11/10
土瀝青
9
図書館にあったので、つい読んでしまった。すごい作品でした。戯曲でした。人ひとりの命、なんなんだ。2017/08/14
ゆき
8
隠蔽。政治家投資のアパートの中に建設途中にうっかり死んだ人を埋め込んじゃえって・・・気にせず建設し続ける。某国を思い出しました。新幹線脱線したのに埋めちゃおうって考え。ってゆーか、実際に有ってはいけないのに、本の中のお話なのに。似たような実際の事故があるとか・・・・。某国。あれが一番わかりやすい対立構造で国VS民衆ですよね。2015/09/05