出版社内容情報
横須賀藩の留守居役・高田兵衛の許に、藩士の中沢が妻女と中間の男を斬ったとの知らせが来た。中沢が婦道の罪で二人を処断したというのだが、兵衛には腑に落ちない点があった──。書き下ろし時代小説。
内容説明
横須賀藩留守居役の高田兵衛の許に藩内の刃傷事件の報せが届いた。藩士の中沢が妻女と密会していた男を斬り殺したというのだ。中沢は、妻女の幸代が婦道の罪を何度も重ねていたという。だが、幸代の兄弟たちの話は全く異なるものだった―。中沢の言動を不審に思った兵衛は、事件の真相を探りはじめる(「第一話婦道の罪」より)。商人として育てられ、庶民の心と武士の剣技を持つ留守居役が、人々の難事を解く、傑作時代小説。
著者等紹介
吉田雄亮[ヨシダユウスケ]
1946年佐賀県生まれ。雑誌編集者を経てフリーライターに。ノンフィクション、コミック原作、実録小説を手がけ、映画化、テレビ化作品も多数。2002年「裏火盗罪科帖」シリーズで時代小説作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
61
留守居役日々暦「落葉の虹」3巻。(いまを見据えて、その上で、先を読むのが商いだそれも二年先三年先のことではない半年先、浮世がどうなっているのか人の好みがどう変わっていくのか見極めていく習性を日頃から身につけるよう・・・)商家の義父から教えこまれた言葉を留守居役にも活かし活躍する高田兵衛さん安定感がありますね。2016/02/20
onasu
14
留守居役てのも、時代小説のサブカテゴリーか。中でもこちらは、商家に育つも、故あって武家にという異色の三作目。 副題で気付いたので、設定が記憶にあるか心配したが全くの杞憂、いつ秘した剣捌きがあるか、許嫁との仲はどうかと、直ぐに載せられた。 別の作品でも思ったが、サブの要素がいい案配で添えられていると、一作品で二度美味しい。その意味で、二話目などは養家での困り事にも平行してあたるという離れ業。 にしても、このリーダーシップで、あたるのが女と金絡みばかりとは…。下世話なのも悪くはないが、次作は本務かな。2015/07/26
あかんべ
7
理想の上司っていう姿の、兵衛。同じ若旦那と呼ばれるのに、壮吉とえらい違いだ。町人として育ってきた割に、留守居役のときに、その影はちらっとも感じさせない。2015/06/23
雫
4
留守居役日々暦最新刊。兵衛は横須賀藩留守居役。双子の弟として生まれ、処断される運命を父親三右衛門は藩出入りの静修堂に養子入りさせる。商人として成長するも高田家長男急逝のため、条件付きで高田家に戻る。商人としての才覚で留守居役の手腕を藩内でめ認めさせる。武士としての生き方やあるべき姿を留守居役をとおして読者に伝える時代小説。兵衛の顔知らぬ生みの母への思いも部下への言葉で垣間見て、さらに面白い。今後も続いて欲しいシリーズ。2015/05/02
Reiko 🍀
0
図書館本。気兼ねなく読めるシリーズ。海野くんがかわいいです。2016/09/21