内容説明
岩手県の山村で起きた住人の大量殺人事件。唯一生き残った少女・頼子は事件のショックから、「青い洋服を着た男の人」を見たこと以外の記憶を失っていた。捜査は難航するが、頼子を引き取った遠縁の男・味沢が被害者遺族に接近するなど、不審な動きを見せ始める。警察の容疑を集めながら、やがて味沢がたどり着く驚天動地の真相とは―。人の奥底に眠る“野性”を呼び覚ます、“証明”シリーズ中最大スケールの社会派推理巨編。
著者等紹介
森村誠一[モリムラセイイチ]
1933年熊谷市生まれ。青山学院大学卒。10年に及ぶホテルマン生活を経て作家となる。江戸川乱歩賞・日本推理作家協会賞・角川小説賞・日本ミステリー文学大賞・吉川英治文学賞を受賞。推理小説の他、歴史小説・ドキュメントにも作風を広げている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hanchyan@理解はできないが否定もしない
33
戦車とか特殊部隊とか一切出てきません(笑)。「強大な権力に単身闘いを挑む市井の人物もの」…て、そんなジャンルがあるかどうか知らんが(笑)、映画のイメージから、健さん=ヒーロー=味沢と思いがちだが、実はそれってズバリ越智朋子で、味沢はむしろ姫の護衛に失敗した騎士にほかならない。姫の志を継いで闘おうとするが味方はやさぐれた新聞記者と青臭いヒロイズムに酔う女子高生のみ、かろうじて使えそうな“味方”は自分を寒村鏖殺事件の容疑者として執拗に追う他県の刑事、という構図。どうすか。燃えるでしょ?アツいでしょ!?(笑)2016/05/04
ま~くん
30
ある山村で13人の住民が惨殺された。唯一生き残った少女は「青い洋服を着た男の人」という以外、全ての記憶を失っていた。事件の真相究明に奔走する刑事達。そんな中、ある町の保険外交員が少女を引き取り暮らし始める。様々な事件が輻輳し、圧巻のラストの描写は人間の本性について作者が読者に問うている気がした。しかし本書に出てくる町みたいに、一人の有力者に政治、経済、警察迄が牛耳られているなんてことがあるんだろうか。警察vs警察の状況は絶対ありえない。縄張り争いは別にして警察は徹底して市民の味方であり続けてもらいたい。2023/06/16
ナチュラ
22
私としては角川映画のイメージが強い作品である。高倉健と、まだ初々しい薬師丸ひろ子が主演だったはずだが、当時の私は未だ子供で観ることは無かった。 ようやく読む機会が訪れた原作の小説は、かなり内容を詰め込みすぎる感があり、正直疲れてしまった。主人公の味沢は何者なのか?養子の頼子は何を見たのか? 徐々に真実が見えてくる所がミステリアスであった。2019/11/12
Wan-Nyans
9
★★★★
ASnowyHeron
7
なんとも救われない結末だったが、面白く読めた。2015/12/01