出版社内容情報
終戦時、19歳から33歳だった大正生まれの若者は、「7人に1人」が太平洋戦争で戦死した。九死に一生を得て生還した兵士たちは、あの戦争をどう受け止め、自分の運命をどう捉えていたのか。
内容説明
太平洋戦争とは、大正生まれの若者たちの戦争であった。終戦時、19歳から33歳だった彼らは同世代の「7人に1人」が戦死している。戦場で非業の死を遂げた兵士たち、あるいは九死に一生を得て生還した兵士たちは、自らの運命をどう捉えていたのか。奇跡の生還を果たした老兵たちが明かす凄まじい戦争の真実。ノンフィクション作家・門田隆将が全国を訪ね歩いて声を集め、知られざる戦慄の現実に迫ったシリーズ、第1弾。
目次
第1章 運命の真珠湾
第2章 ミッドウエー痛恨の敗北
第3章 ガダルカナルの激闘
第4章 特攻第一号「敷島隊」指名の真実
第5章 重慶爆撃から特攻までの生き証人
第6章 桜花・神雷部隊の猛者たち
第7章 宇佐航空隊“全滅”の悲劇
第8章 二度生還した陸軍特攻隊員の回想
第9章 突入しても助かった白菊特攻隊員の「奇跡」
第10章 生き残った戦士の思い
著者等紹介
門田隆将[カドタリュウショウ]
1958年、高知県生まれ。中央大学法学部卒。戦争、事件、司法、スポーツ等、幅広いジャンルでノンフィクションを執筆。『この命、義に捧ぐ台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(角川文庫)で山本七平賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gonta19
151
2018/4/18 Amazonより届く。 2020/2/20〜2/22 門田隆将氏が太平洋戦争を生き抜いた元兵士達に聴き集めた貴重な証言集三部のうちの第一部。零戦・特攻編では、零戦で戦った人たち、また零戦や桜花などで特攻した人たちなどの生々しい証言からなる。戦争は、亡くなった兵士達は勿論、生き残った兵士達、家族にも大きな傷跡を残す。先日、沖縄のひめゆりの塔記念館で、ひめゆり隊の生存者の方が語り部として居られて、貴重な話を聴いた。ただ、生存者の高齢化が進み、お元気に活動できる方の数も2020/02/28
yoshida
99
太平洋戦争は大正生まれの若者達を中心とした戦争であった。本書は奇跡的に生還を果たした兵士達に話を聴く内容である。1巻は零戦と特攻が内容の中心をしめる。思った事は大きく3つ。一つは緒戦の圧勝による軍幹部の驕り。もう一つは絶対国防圏か破られた段階で講和できたかという事。これは相手国のある事なので不透明。最後は生き延びた軍幹部の戦後の出世。死んでこいと若者を送り出し、自身は戦後も立身出世を果たす。こんな事が許されるものではない。2015/06/25
かおりんご
45
生き残った方たちの証言を元に、構成されている全3部作。第1部のこの本は、特攻隊に任命、もしくは関わった人の話。熱望せざるを得なかった状況や、出撃前夜の心の葛藤などが描写されている。海軍の航空機特攻がメインに収録。「生まれた時代が悪かったのだから仕方がない。」という、若者たちの思いが切なかった。2015/07/27
かっくん
8
太平洋戦争(大東亜戦争)は大正世代の戦争であった。私の祖父母もその世代である。前線で特攻隊として戦い、そして生き残った元兵士たちの貴重な証言をノンフィクションでまとめたのが本書である。印象深いのは、彼らが特攻を命じられたときの思いである。同じ日本人なのかと思うくらいに死ぬことに対して透徹というか諦感というか、現在の我々の感覚では少し計り知れない感慨なのである。当時の日本人は死というものを今とはまったく違うものとして考えていたのだ。2022/12/28
ロッキー
8
壮絶な証言の数々であった。特に桜花を初めて見た時の感想が印象に残っている。戦闘機になじみのない自分が見れば、戦闘機なのかと感じるが、あの時代の人が見ると魚雷に羽がついただけと感じるというのが印象的であった。そしてそれを見て、それに乗り込む人はどんな気持ちであったのか非常に興味深かった。誰がなんといおうとあの時代に最前線で戦い、特攻を行った方々は英雄だと思う。そして特攻に失敗し、生き残ったことに対する罪悪感というのは、あの時代ならではと感じた。2015/07/29
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