出版社内容情報
私、小澤雄也は本書の編集を手掛けた人間だ。
収録されているテキストは、様々な媒体から抜粋したものであり、
その全てが「近畿地方のある場所」に関連している。
なぜこのようなものを発表するに至ったのか。
その背景には、私の極私的な事情が絡んでいる。
それをどうかあなたに語らせてほしい。
私はある人物を探している。
その人物についての情報をお持ちの方はご連絡をいただけないだろうか。
※単行本とは内容が異なります。ご了承ください。
【目次】
内容説明
私、小澤雄也は本書の編集を手掛けた人間だ。収録されているテキストは、その多くが「近畿地方のある場所」に関連している。なぜこのような文章群を発表するに至ったのか。その背景には、私の極私的な事情が絡んでいる。それをどうかあなたに語らせてほしい。私はある人物を探している。その人物についての情報をお持ちの方はご連絡いただけないだろうか。※単行本とは内容が異なります。ご了承ください。
著者等紹介
背筋[セスジ]
Web小説サイト「カクヨム」に投稿した「近畿地方のある場所について」が話題を呼び、2023年同作の書籍版でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こも 旧柏バカ一代
101
同タイトルと中身が同一じゃないと書いてあり、続きそうなので文庫版を手に取ってみた。おう。怪奇ミステリーだった。挿絵や巻末の写真やイラストが怖い。色々な角度から明かされる白い男。それの本尊を護る女性たち。その彼女たちの壮絶な人生。誰も幸せになってない。読了感が悪い。でも、続きが出たら読んじゃう。HPにて加筆。https://www.kashiwa1969.online/novel-kinki-review/2025/08/05
ままかり
91
起こる怪異はカクヨム版と単行本版と変わりないも、ストーリーテラーが変更されていた。それに伴い、「何故、一連の怪異の話を公表するのか」という部分の背景も改変。特に赤い女の過去にスポットが当たっていた。文庫本はホラーというよりもヒューマンドラマといった所か。それも怖い話ではなく悲しく切ない話。赤い女にも悲しい過去が!そういう話を好むなら文庫本版もおすすめ。追加の怪談やマサルの話をもっと読みたいんだよ!という人には物足りないかもしれない。★★★☆☆2025/08/13
nobby
83
「※単行本とは内容が異なります。」と宣言されたり、タイトルにわざわざ〈文庫版〉と付けられちゃったら手に取るしかない!語り手はじめ設定の違いに戸惑ったが、後半納得の改編には好印象。というか、まさかジワジワ泣かされるとはビックリ!結構覚えていた通り一つ一つのエピソードが残すインパクトは絶大!嘘つき謝罪の繰り返しにも工夫あり(笑)単行本との構成比較しながら読み進めるのが楽しかった。もう序盤から大ネタ仕掛けてあるのもお見事!そしてやはり気になるのはラスト〈〉内の一文字演出。そのダブルミーニングの破壊力は半端ない!2025/08/15
yukaring
83
「※単行本とは内容が異なります。ご了承ください」なんて書かれたらこちらも読むしかない。そして本当に内容が変わっていてビックリ。単行本は不条理の羅列が怖かったが、こちらの方が映画を意識したのか物語風にエピソードが整理されていてとても読みやすい。ラストにはちょっとしたサプライズもあり。「見つけてくださってありがとうございます」「おやまへきませんか?」などの不気味なワードや赤い女などはもちろん健在。ある地方にまつわる不穏な情報が集まり、形が見えてくるにつれて背筋がゾクゾクするような怖さを再度楽しむことができた。2025/08/01
keroppi
69
断片的に綴られる記事、ネット、インタビュー、写真、…それが結構怖い。それが繋がり家族の話となる。最近のホラーは、ネット発のものが多く、小説というより、事実かと思わせる断片の積み重ねで表現されるものが多いように感じる。短い文章で、短絡的に読む人に響かないといけないのだろう。その中では、この本は、その表現が怖く、うまくまとめられているように思った。単行本は読んでないので、文庫本とどう違うのか気になってしまった。2025/09/07
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