内容説明
出版大手「薫風社」で、カルチャー誌の編集長を務める速水輝也。笑顔とユーモア、ウィットに富んだ会話で周囲を魅了する男だ。ある夜、上司から廃刊の可能性を匂わされたことを機に組織に翻弄されていく。社内抗争、大物作家の大型連載、企業タイアップ…。飄々とした「笑顔」の裏で、次第に「別の顔」が浮かび上がり―。俳優・大泉洋を小説の主人公に「あてがき」し話題沸騰!2018年本屋大賞ランクイン作。
著者等紹介
塩田武士[シオタタケシ]
1979年兵庫県生まれ。神戸新聞社在職中の2011年『盤上のアルファ』でデビュー。2016年『罪の声』で第7回山田風太郎賞を受賞、“週刊文春ミステリーベスト10”で国内部門第1位、2017年本屋大賞3位に。2018年には『騙し絵の牙』が本屋大賞6位と、2年連続本屋大賞ランクイン。『歪んだ波紋』で第40回吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
小梅
331
大泉洋を設定した「あてがき」だったのを知りませんでした。単行本が平積みになってる時から気になってました。表紙や章ごとの写真から最初は大泉洋をイメージしながら読んでいたのですが、中盤からは速水になってました。ページ数を感じさせない面白さ。 2020年6月公開で映画化されるとのこと。映画も楽しみです。2020/02/04
mae.dat
296
プロローグ+6章立て+エピローグ+解説大泉洋。解説に本書の生まれ出る経緯が書かれていた。最初から大泉さんが主人公イメージで創作されたんですね。全く抜け目が無いと言うか、人誑したる所以なんですね(凄。大泉さんはコメディもシリアスもイケるのでね、シーンを自然と想像する事が出来ますよ。雑誌編集長としてのお仕事。色々な問題を擦り付けられますけど、快刀乱麻を断つ活躍でどんどん解消する敏腕振り。素晴らしいけど、そのマルチタスクは覚えておくのだけでも大変だよ。とても真似できない。一つの事に注力出来るお仕事で良かったー。2026/09/04
nanako
234
記録し忘れていました。読み終えたのはおそらくひと月ほど前…。騙し絵の牙とありますが、私にはこの主人公がそれほど表と裏があるようにも、牙というほどの牙をむいたとも思えませんでした。こうした業界、いや、どんな仕事でも外に出ればこれくらいのことはあるんじゃないでしょうか? 話は全く変わりますが、私も小説や雑誌は、書店で紙で買いたいし、本の重み、感触を感じながら読みたいです。書店で平積みされた本をながめ、手にすることが本当に楽しい私にとって書店がなくなっていくこと、デジタル化されていくことは本当に寂しい限りです。2020/04/25
紫陽花
192
塩田さんの本は2冊目です。最初から引き込まれました。登場人物の個性や腹黒さが上手く描かれていると思います。主人公もひたむきに仕事に打ち込み、その体当たり精神で次々と難関に立ち向かう…。力尽きたと思ったところで、「えっ。そう来る⁉︎」という流れで面白かったです。登場人物たちの謀略(立ち回り)ですが、実社会でもこの程度のことはあるあるですよね。そういった現実的なところもこの物語へ惹きつけられる要因だったのかなと思います。2020/05/26
Nana
152
出版業界のことがよく分かる。大泉洋をイメージしながら読めるので、たまに笑えるギャグがある。ハラハラドキドキして続きが気になって、どんどん読み進められる。冷え切った夫婦関係について、男性目線の思考回路には共感できなかったが、勉強になった。心理や情景の描写が上手いとか、そういう文学的価値の高い作品ではない。しかし編集者のエンピツで作品が輝く、という文章は響いた。「思考を続ける人間には、真贋を見極める目が備わっている。」「思考の源は言語だ。言葉を探し、文化を育み続けることこそ、出版人の使命だ。」も刺さった。2021/03/30
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