内容説明
「僕は先生のことを愛しています。今度のテストで100点取るので結婚してください」―初めてプロポーズをしてくれた相手は、中学校の教え子でした。小説みたいな瀬尾せんせいの毎日は、大変だけど感動でいっぱい!学校というルールの厳しい社会の中で、出会いと別れを繰り返し、成長していく生徒たちと瀬尾さんが過ごした日々。瀬尾作品すべてのルーツになった、著者の中学校教師時代を描くほっこりエッセイ。
目次
給食の鯖
「選択3」の時間
おしゃれチェック
生徒会のこと
草は踊る
点数宣言
誕生日
T先生
涙の学年末テスト
約束厳守〔ほか〕
著者等紹介
瀬尾まいこ[セオマイコ]
1974年、大阪府生まれ。2001年、『卵の緒』で坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、翌年デビュー。05年『幸福な食卓』で吉川英治文学新人賞、08年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞、19年『そして、バトンは渡された』で本屋大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
初雪ハロー
169
かなり、面白かったです。2019/05/09
zero1
153
プロポーズを教え子から!試験満点が条件だが結果は?作家(中学教師を兼ねる)のエッセイを読むと、作品の骨格をより深く理解できる(後述)。文章の奥にある輝いた経験が魅力の一冊。草は揺れるが擬人法では【踊る】。理解の共有こそ教育の原点。生徒は下らないことを記憶するが教師のおしゃれチェックや30歳カウントダウンも忘れない。体育祭の団結にサプライズ部の活躍。野球ができる喜びに合唱祭の奮闘。妹も学校に登場。キラキラが眩しく瀬尾は間違いなくエネルギーを生徒からもらっている。学校はまさに題名そのままの世界。読んで損なし。2021/01/18
馨
147
筆者が先生をしていた時のエッセイ。文章が柔らかくて読みやすい。いろいろな学校のイベントで一所懸命だったり、クラスで団結しようとする2組の生徒が皆素晴らしすぎて、こんな学生が沢山いたらいいのにと思いました。2019/05/03
のぶ
103
瀬尾まいこさんのエッセイ集。すぐに読めてしまうこの本を読んで、瀬尾さんがかつて中学校で先生だったことを初めて知った。デビューからしばらくは教師と二足のわらじを履いていて、そのころの教師をしながらの話を書き溜めたもので、本も薄いし文章も短いが、その時代の気持ちが本音として、正直に表されていたことが面白く、好感を持った。鯖が大嫌いで、ほかにも苦手なものが多く給食の時に苦労した話。担任としてやりたくなかった仕事等。本書を読んで、過去に小説で読んできた内容が大きく反映されている事がよく分かった。2019/07/04
いたろう
82
瀬尾さんが、まだ中学教師との兼業作家だった頃に「ダ・ヴィンチ」に連載した、勤務先の中学校のことを綴ったエッセイ。昔のことを思い出して、ではなく、リアルタイムで受け持ちのクラスのことを書くことは、なかなか難しかったのでは、と思われるが、宮津の1クラス8名の中学校も、京丹後の35名のクラスも、どちらもとても素晴らしく、子供たちの姿が実に感動的。それはまるで小説のよう。子供たちだけでなく、瀬尾さん自身も、いろいろ新しいことを経験し、子供たちにも教えられて、教師として成長していく姿が見て取れるのも、なかなかいい。2020/05/15