内容説明
『工藤写真館の昭和』『悪名の棺笹川良一伝』など名著の数々で知られるノンフィクション作家の日常は“怪談”だった!「火の玉を見た」子供時代から、そこに居ないはずの人をたびたび見かけてきたという著者。川端康成邸を訪れた際に夫人から聞いた、自決した三島由紀夫の首に関する逸話とは…。じんわり怖く、滋味深い、「お化けさん」と共存する日常を淡々と描いた、珠玉の怪談実話エッセイ。
目次
病院にて
その男の顔
通じる思い
三島/由紀夫の首
知らない住人
悪魔の木
兄とコビー
謎の笛の音
元夫の真っ白な家
坂の途中の家
バリ島の黒魔術
霊感DNA
母からの電話
「赤い」人たち
火の玉は何色か?
著者等紹介
工藤美代子[クドウミヨコ]
1950年、東京都生まれ。チェコスロヴァキアのカレル大学留学を経てカナダに移住、コロンビア・カレッジ卒業。91年『工藤写真館の昭和』で講談社ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
p.ntsk
43
ノンフィクション作家の工藤美代子さんの心霊体験談。ご本人は鈍感な性格であると仰られているけどお話を読むと十分に霊感のある方だと思います。お身内に関するエピソードが多く工藤さん自身が霊的なものをあるものとして受け入れていらっしゃるので訳の分からないおどろおどろしい感じはなかったです。でも夜中に読むとやっぱり怖い。 2016/09/06
こばまり
42
ノンフィクション作家としてはリスキーな筈なのに敢えて書いた。そこを評したいです。ただゾッとするだけでなく、身近な人や動物とのエピソードは甘く切ない気持ちに。そういえば私も祖母を看取った際に、少し不思議な体験をしましたっけ。解説が角田光代氏というのも意外性があってよかったです。2015/05/05
さなごん
39
シックスセンスみたいだ。この世にいない人がごく普通に存在してる。見たってことだけで背景とか調べてないのが逆に怖い?2016/02/20
J7(読メ低浮上中)
33
ノンフィクション作家、工藤美代子さんが体験した霊・不思議譚。お化けの話といっても工藤さんが書く文章は他の怪談特有の陰鬱さをあまり感じない。それはノンフィクション作家として“嘘を書かない”を信条にし、事実と真実を記すことに慎重な工藤さんの感性がそうさせているのかもしれない。そしてもう一つは、この本の怪異譚は工藤さんの人生の物語でもあるということ。身内の別れ、人との出会い、生活の一場面、その傍らに起きた不思議な話は、工藤さんの思い出でもあり、人柄を感じられる。実話系などとはまた違った新鮮な怪談読書だった。 2016/06/09
barabara
33
読んで驚いた。めっちゃ、オモロイ!ノンフィクション作家があやふやな幽霊?談を訥々と語っているのが意外で面白い。怖がらせよう、とか絶対に信じて!風の展開は皆無で、ただ余り今まで身内に位しか語らなかった、たまに見える(多分)現実にはいるはずのない人々が急に現れ、意味もない時もあれば、攻撃され引っ越すこともあれば、死のお知らせだったり。おまけに所々に出てくる著者の若かりしの留学話や交友関係も年齢から相当の家庭出身と推測するが、あくまで主役は(多分)現れた幽霊らしきものというスタンスがよい。➡️続2015/05/12
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