境界の民(マージナル・マン)―難民、遺民、抵抗者。国と国の境界線に立つ人々

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  • サイズ B6判/ページ数 288p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041025383
  • NDC分類 316.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

なぜ女子大生は「無国籍者」となったのか? なぜ軍閥高官の孫は夜の街の住人となったのか? 国家という枠組みを取り払った場所で生きる人たちが、本当に大切にしているものは何か。彼らから見た日本とは――。

内容説明

なぜ女子大生は「無国籍者」となったのか?なぜ軍閥高官の孫は夜の街の住人となったのか?国家という枠組みを取り払った場所で生きる人たちが、本当に大切にしているものは何か。彼らから見た日本とは―

目次

第1章 クラスメイトは難民―日本のなかのベトナム
第2章 偽りのシルクロード(上)―迷走するウイグル
第3章 偽りのシルクロード(下)―道具としてのウイグル
第4章 ガラパゴスのコスモポリタン―引き裂かれる上海
第5章 黒いワイルド・スワン―軍閥、文革、歌舞伎町
第6章 甘すぎる毒の島―幻想としての台湾

著者等紹介

安田峰俊[ヤスダミネトシ]
1982年滋賀県生まれ。ノンフィクション作家、多摩大学経営情報学部非常勤講師。立命館大学文学部(東洋史学専攻)卒業後、広島大学大学院文学研究科修士課程修了。在学中、中国広東省の深〓(せん)大学に交換留学。一般企業勤務を経た後、運営していたブログを見出されて著述業に。アジア、特に中華圏の社会・政治・文化事情に通じる作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

50
「難民」という言葉から何を連想するか。最近シリア難民の話題を目にすることが多いこともあり、特殊で大変で弱くてかわいそう、そんなイメージを漠然と抱いていたことに改めて気づきました。「はじめに」の中にあった小見出し、『マジョリティはマイノリティに同情する、ただし理解はしない』これがすべてを語っていると思った。2015/11/03

おさむ

45
国と国の境界線に立つ人々を描くノンフィクション。毎日新聞の書評で取り上げられていたので、さっと読了。在日ベトナム人の話からはじまり、ウイグル自治区、上海、台湾と舞台は移っていく。日本の右派が、ウイグルや台湾の独立運動と関わりを持っているのはなぜなのか、と不思議に思っていたが、ただ反共の1点で繋がっているというだけなんですね。なるほど。頭でっかちにならず、現場を重視する著者のスタンスには好感が持てます。雑誌記者が長いらしく文章も読みやすかった。2019/08/07

ころりんぱ

45
知らない事ばかり…ちゃんとわかるかな?と心配しながら読み始めたけど、すごく読みやすかった。こちらが勘違いしてる事、知らないであろうことを提示しつつ、歴史や内情を順序良く説明してくれるから、そういうことなのか!へぇー、ふむふむ…となる。最初に持った「境界の民」という言葉のイメージとは違う、今そこに生きている人間を伝えてくれる。自分の感覚を次々に覆される面白さが良い。これって中国の現体制や日本のフィクサーにまで切り込んでいて、結構危ないのでは?と、そういう事に縁遠い私はドキドキしながら読みました。2015/04/08

姉勤

24
かつてボート・ピープルと称されたベトナム難民と二世、中共の弾圧の国内外ウイグル人、活躍を求め大陸に渡った日本人、文革を生き残った中国人、政府に異を唱え国会を占拠した台湾の若者たち…読書前の彼らのイメージは、健気で恵まれない「弱者」で、機会があれば助力するにやぶさかでない感覚は、知らす知らず彼らよりも上位であるかのように錯覚する優越。その気持ち良さが、本作に登場する、自らの勝手なイメージを彼らに強要し、そしてイデオロギーや金儲けに利用する、「日本人」たちと大差ないと気付かされた。2016/06/08

BLACK無糖好き

18
国民国家体制から弾き出された人達を描いた本ではあるが、テーマに付随して出てくる話が大変興味深い。日本ウイグル協会と政治団体の関係は、さもありなん。一番惹きつけられたのは、著者が上海の日本人向けのいかがわしい飲み屋の経営者に情報を得ようと近づいたら、この男がなんと山西省の軍閥 閻錫山の腹心の孫だった!ここで語られる中国現代史の裏面。大躍進から文化大革命、日本ヘ流れて歌舞伎町でテレクラのビラ張りから夜の世界ヘ、歴史に翻弄された一人の男のストーリーが物悲しいトーンで彩られる。たまりません。(^_^;) 2016/04/02

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