出版社内容情報
十二年前、肥後の村で記憶を喪い、村人に助けられた谷五郎。妻女と子に恵まれ、平穏な一生を送る筈だった。だが、村に兵が押し寄せた時から、彼の運命が、大きく変わりはじめる──。書き下ろし時代長篇。
内容説明
関ヶ原の大戦直後、水野勝成の命を受けた伊賀者・霧生滋兵衛は、敵への誘降の密書を携え、大垣城に潜入した。滋兵衛の任務は成功し、相良四郎次郎らの裏切りの末に、敵方の投降を実現したのだった―。月日は流れ、肥後国の白泉村で、記憶を無くして怪我を負った男が発見された。谷五郎と名付けられた男は、妻と子供に恵まれ、幸せな生活を送っていた。だが、村に兵が押し寄せ、彼の運命は想像を絶する方向へ動きはじめる―。
著者等紹介
鈴木英治[スズキエイジ]
1960年、静岡県沼津市生まれ。明治大学経営学部卒業。99年、第1回角川春樹小説賞特別賞を「駿府に吹く風」で受賞(刊行に際して『義元謀殺』と改題)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あかんべ
8
記憶を無くした忍びが、神水を求める者との戦いで己を取り戻す。その間にたくさんの人が亡くなった。最後心穏やかに暮らしていた所にもどり一人犬と共に去っていく姿がいい。敵の技の指をかぎのように曲げて素手で戦うすがたはちょっと想像が付かない。それで肉がえぐれる?2015/06/11
かずお
6
★★★☆☆ ストーリーが少しわかりにくかったかな。重蔵が強すぎる。2017/02/22
月華
5
図書館 新刊コーナーで見かけて借りてみました。予想外の展開で読んでいて楽しかったです。優秀すぎて逆に疎まれて、というのが真相でした。記憶喪失の主人公の心理に寄り添う形になるので、謎解きに近い感じがしました。血を血で贖うというかなり生々しい感じもありました。2015/07/01
蕭白
3
少しミスリードもあったりしましたが、面白かったです。忍のお話は、個人的には好みなので◎でした。脇で登場する実在の人物たちの描かれ方が作品によっても違うのが、個人的には密かな楽しみになっています。2015/07/26
ひさか
2
2015年4月角川文庫刊。書下ろし。すざましい腕を持つ忍者のお話。記憶を失っているため、謎があり、それがまたストーリーに緊迫感を与えていて、楽しめました。2018/02/23