出版社内容情報
今こそ、佃島の矜持を見せる時――息づく人情と誇りを描く時代小説!
大御所・徳川家斉が佃島見物に来る――知らせがきてから、島民らは緊張しつつも名誉なことと張り切っている。そんな中、佃島用心棒の左京介は、家斉の警護に便乗した鳥居耀蔵の不穏な動きを察知し……。
内容説明
密命を受け、佃島を公儀目付・鳥居耀蔵の陰謀から守る用心棒となった立花左京介。彼はその物腰と口癖から「左様介」の綽名で、島民から親しまれている。ある日、大御所・徳川家斉が、家康の故事にちなみ白魚漁見物に佃島を訪れるという知らせが。島民達は重圧を感じつつ、名誉なことと張り切るが、左京介は家斉の警護と称した鳥居の不穏な動きを察知。真意を探るため、聞き込みを始めるが…。島に息づく人情が胸をうつ傑作時代小説!
著者等紹介
早見俊[ハヤミシュン]
1961年岐阜県岐阜市生まれ。会社員を続けながら作家活動を行っていたが、2007年、専業に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶんこ
40
相変わらず水野と鳥居の陰謀に振り回される佃島と左京介でした。お勝が「汗水たらして一生懸命働いたら、何食べたって美味しいのさ」と又左衛門に言った言葉が胸にこたえました。陰謀を凝らしたり、出世、金銭汲々としているよりは、権爺の頑固なまでの生真面目さが清々しい。既に読んだ本で、感想も書いたはずなのに消えていたので、ざっと読み直して書き改めました。2016/07/30
goodchoice
3
三作目になり主人公の立ち位置がしっかりしてきた。佃島という江戸時代は閉鎖空間だったところに焦点を当てたのはポイントが高い。今は橋がかかり、高層マンションが立ち並ぶが、昔は住吉神社が中心ののんびりしたところだったのだろうなぁ~と思うと、違った楽しさを感じる。2016/05/20