内容説明
天保九年師走、大火に見舞われた佃島へ向かう渡し船に若侍立花左京介の姿があった。名主の娘・志津を助け、漁師になりたいと宣い、何を言われても「左様か」と受け流すこの若侍に島の面々がつけた綽名は左様介。佃島に災厄あるとき、必ず守護武者があらわれるとの言い伝えは本当なのか?公儀目付が暗躍、異国船の脅威にもさらされる佃島をとりまく謎と謀略と、あたたかな人情。傑作時代小説新シリーズ、スタート!!
著者等紹介
早見俊[ハヤミシュン]
1961年岐阜県岐阜市生まれ。会社員を続けながら作家活動を行っていたが、2007年、専業に。数多くの人気シリーズを抱え、文庫時代小説界を牽引する一人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
41
著者初読みですが面白かったです。佃島を護るために用心棒となった左京介。のんびりと平和な眼差し、子供らにも優しいが腕はたつ。眼差しが優しいというのがいいですね。佃島の住吉神社は本当にこじんまりとしています。そこが由緒正しいお宮だったとは。江戸時代の佃島の様子がうかがえるのも興味深い。次巻も手元にあるので楽しみです。2016/06/02
めにい
6
渡し船にさえ酔う武士が、佃島の漁師になるという始まりに、軽い読み物かと思ったら、やはりかなり真面目な謀略政争モノだった。茫洋として失敗も多いけれど純粋でまじめな主人公に好感が持てる。しかし悪役はまたまたあの人だったのにはちょっとね~~2015/02/28
蕭白
4
悪くなかったです。2023/09/01
goodchoice
3
佃島の白魚漁のところは史実に基づいているが、そこに浪人風の武士が現れ、用心棒として雇われるというところは創作になっている。早見さんらしい爽やかなキャラクターを生み出していて、読んでいて楽しい。次巻以降も楽しみとなった。2016/04/12
月華
2
図書館 新刊コーナーで見かけましたが、発売は新刊ではありませんでした。短編集かと思っていたら、最後のお話がつながっていました。2016/05/01