出版社内容情報
キマイラ化した久鬼麗一に対峙し、恐怖を抱く菊地。大鳳吼と雲斎は亜室健之によって東京に呼び出された。円空山の留守を預かる九十九らのもとに、玄造と典善が歩み寄る。キマイラを巡り、男たちが集結する。
内容説明
八ヶ岳山麓、亜室健之の別荘に侵入した菊地の眼の前で、久鬼は己の身体に一対の翼を生じさせて月の夜空に消え、玄造が典善に命じた久鬼の奪還は失敗に終わった。直後に長野県の牧場で牛の不審死が頻発する。一方、辛うじてキマイラ化を抑えた大鳳吼は雲斎とともに、健之によって東京に呼び出される。円空山の留守を預かる九十九や坂口たちのもとに近づいてゆく玄造と典善。ソーマを巡り、キマイラを巡り、男たちが集結する。
著者等紹介
夢枕獏[ユメマクラバク]
1951年、小田原生まれ。東海大学卒業。『上弦の月を喰べる獅子』で第10回日本SF大賞、『神々の山嶺』で第11回柴田錬三郎賞、『大江戸釣客伝』で第39回泉鏡花文学賞、第5回舟橋聖一文学賞、第46回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おかむー
36
角川版キマイラ十二巻。内容と合うかはともかく表紙イラストがやけにかっけえ(笑)『よくできました』。ここまで直接的にされてこなかったキマイラ化全開状態の久鬼の描写は’70年以前生まれのひとは永井豪『凄ノ王』が浮かぶかも。すっかりヤムチャポジションになってしまった坂口がせつないけれど、それを前座とした九十九vs典善のギリギリ感がたまらんですね。そして肝心のところで乱入→次巻に続くという引きのあざとさといったら…もう慣れたけどね(笑)2015/05/22
木村 武史
19
由魅たちのもとから逃げた九鬼がどんどんキマイラしていく。円空山では岩村賢治と脇田涼子が出逢う。雲斎と大鳳は雪蓮の一族を秘密を得るために由魅たちに会いに行くが、その留守中に九鬼玄造が円空山に姿を現す。九十九と典善の対決がクライマックスでドキドキする。ソーマや狂仏の秘密が全然明らかにならない。もどかしい。2022/01/05
ぎん
4
九十九と典善の息をつかせぬ攻防がいい。相も変わらず話しは進まないけど。2015/08/21
なつみかん
4
男、坂口の闘い!2015/04/29
onisjim
2
九十九と典善の手合わせ、いいなあ。こういうのを読みたかったんだ。2015/04/30