内容説明
時は幕末。わずか25歳で老中に就任した阿部正弘を待ち受けていたのは、黒船はじめ度重なる外国船の来航、強大な欧米列強に対する攘夷派の強硬論、逼迫する財政に高まる内政不安だった。一刻の猶予もないなか、外交・国防問題に奔走し、思うように進まない国論の統一に正弘は煩悶する。人材を登用し、後進を育て、新しい時代を切り拓こうと、常に時代の先端を走り抜けた男の熱き人生を描く、著者初の本格歴史時代小説!
著者等紹介
今井絵美子[イマイエミコ]
1945年広島県生まれ。成城大学文芸学部卒業後、画廊経営、テレビプロデューサーを経て、執筆活動に入る。2003年「小日向源伍の終わらない夏」で第10回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
132
正弘と闇丸の絡みで物語が推移していくのかと思ったが、正弘さんに焦点が、やはり今井作品は、おりきさん、すころくさん、お葉さんの人情物が良いですね。2015/10/09
007
20
★★★☆☆ 安政の大獄を断行した老中安倍正弘。プロローグにぐっと心を捕まれたけれど本文に入ってからは歴史の勉強をしているような感じ。忍びの闇丸も中途半端だった。今井さんの人情時代小説は好きだけど今回は私個人としては残念。2015/02/09
kaori
18
明け方前の「群青色の空」に出会ってみたい。感情表現が薄くて、引き込まれるような特化要素がなく、歴史の勉強をしてる感覚だった。2015/06/01
いつでも母さん
16
帯を読み・・確かにそうなのかもしれない。が、プロローグで物語に引き込まれたのに・・闇丸との絡みは少な過ぎませんかねぇ。残念。歴史の本でした。2015/04/21
Sato
12
幕末の老中阿部正弘の生涯。反対する者には容赦しない井伊直弼とは違い、身分の上下関係なく、誰の話もよく聞き、時には反対派もうまく利用しながらまとめていく穏健派。諸外国が開国や通商を求めやってくる中、国力の差を知る正弘は、植民地となった清国とは同じ轍は踏むまいと、苦悩しながら対峙していく苦しい胸の内が描かれている。残念ながら正弘は早世し、井伊直弼が大老となり安政の大獄が起こってしまう。歴史に「たられば」はご法度ですが、正弘、薩摩の島津斉彬、長州吉田松陰が生きていれば、維新もまた違ったものになっていただろう。2018/06/07
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