内容説明
今すぐ、誰とでもいいから、結婚したい―身体を内側から焼くような強烈な願望。でも、相手がもっている数字や条件をいくら積みあげても、人を好きになることはできない―予期せぬときにふと落ちる恋の感覚、加速度をつけて誰かに惹かれていく目が覚めるようなよろこび。運命は、わからないからこそ、素晴らしい。臆病の殻を一枚脱ぎ捨て、あなたもきっと、恋に踏みだしたくなる―当代一の名手が紡ぐ、極上恋愛短篇集!
著者等紹介
石田衣良[イシダイラ]
1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEENフォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年『北斗ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
486
寝る前に一編一編読むのに最適。いいなぁ、こんな恋、あんな恋。そうそう、「もう誰でもいい!結婚してくれ」ってあるのよ。そんなとき出会ったのが今のオット(笑)めちゃくちゃ読みやすい短編集、唯一の欠点は朝になると内容をわs…(以下自粛)。恋に憧れるあなた、もしくは恋に浸りたいあなたにぜひ。2023/11/25
おしゃべりメガネ
120
久しぶりに石田さんの短編集を読みましたが、やっぱり読みやすさは健在ですね。40超えたオッサンが読むにはちょっと瑞々しさが若干キツく感じなくもないですが、ある種の懐かしさみたいなモノを思い出させてくれます。セクシーであり、エロティックでありながら、どこかがコミカルで、全体的に爽やかテイストでまとめてくるあたりは石田さんならではの作風です。ワンパターンかもしれませんが、そこがまた鉄板の良さでもあるのかなと。一時期、どハマりして読みあさりましたが、また過去の読了作品を読み返してみるのもいいかもしれませんね。2017/07/15
りゅう☆
108
9話中5話再読。結婚欠乏症の最中に出会った秋葉原好きの理屈っぽい彼の優しさに気付いた時、真夜中の1秒後に出会った運命の男性が予想外だった時、夢の中の香りの男性に巡り会えた時、心とお金を探し求めて辿り着いたゲストハウスの豊かさに包まれた時、ただのセフレだったけどお互い苦い恋を経験し逃げ道を見つけた時、ちょっとワイルドな先輩に惹かれ結ばれ少し成長した時、仲の良かった幼馴染が男女として意識した時。フッと恋に落ちるそんな瞬間を短編でものの見事に表してくれる石田さん。相変わらず無難できれい。サラっと読めますね。2016/05/09
じいじ
107
表題作から始まる「恋」の9短篇集。異性への浮気心は、それぞれ個人差はあるにせよ、持って生まれたオトコとオンナの本能なのだろう。とりわけオトコは広く種を蒔くように、すべからく男性の遺伝子に刻まれているらしい。さて本作、35歳になり突如として結婚願望が芽生えて婚活をはじめる女、ひと回りも年下の若者との恋にときめく人妻…など、恋に不器用な女、恋に積極的な女が描かれた恋物語。石田衣良の読みやすい文章でリアルに、ちょっぴりエロくて、そしてコミカルな笑いもあって面白いですよ。2019/12/11
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
95
なかなかに肉食系の女性が登場する短篇集。表題作は、突然の結婚願望に襲われた30代女性の奮闘を描いています。婚活パーティ、友達の紹介などできる事からコツコツと。『真夜中の一秒後』は、「28歳の11月1日に最初に会った人と結婚する」と占い師に断言された女性が、まさにその日、4人の男性と飲んでいるという設定。時計の針は刻々と真夜中に近づいていく……。石田衣良氏らしいライトでトレンディ(死語?)な10篇の恋愛小説を収録。それぞれの事情を抱えた男女が沖縄のゲストハウスに集う『ハート・オブ・ゴールド』がベストでした。2015/03/06
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