出版社内容情報
すべての世界が崩壊する衝撃と快感。驚愕必至の傑作ゴシックミステリ。森の奥深く囚われた盲目の王女・レイア。父王からの優しく甘やかな愛と光に満ちた鳥籠の世界は、レイアが成長したある日終わりを迎える。そこで目にした驚愕の真実とは……。耽美と幻想に彩られた美しき謎解き!
服部 まゆみ[ハットリ マユミ]
著・文・その他
内容説明
森の奥に囚われた盲目の王女・レイアは、父王の愛と美しいドレスや花、物語に囲まれて育てられた…はずだった。ある日そのすべてが奪われ、混乱の中で明らかになったのは恐るべき事実で―。今まで信じていた世界そのものが、すべて虚構だったのか?随所に張りめぐらされた緻密な伏線と、予測不可能な本当の真相。幻想と現実が混ざり合い、迎えた衝撃の結末とは!?至上の美を誇るゴシックミステリ!
著者等紹介
服部まゆみ[ハットリマユミ]
1948年、東京生まれ。現代思潮社美学校卒業後、加納光於版画工房にて銅版画を学ぶ。87年、『時のアラベスク』で第7回横溝正史賞を受賞しデビュー。幻想的かつ耽美な作風と、巧妙に仕組まれたトリックとが見事に融合した作品の数々は、熱狂的支持を受ける。2007年、永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
471
主人公は目が見えない。だからこそ成立した物語。海外の小説を和訳したかのように語られる前半の狭小な世界観の構築は見事だし、その世界観に少しずつ違和感を感じさせながら突然一気に崩壊させるところも衝撃的で素晴らしい。結末まで一気に読ませ、冗長なところもない。ただ一点残念なのは、結末がやや中途半端な印象であり俺の好みではなかったかな。「嵐が丘」がもう一度読みたくなったよ。2021/09/04
nobby
437
これは読み友さんのアドバイスのまま“予備知識無し”で読めて正解!幽閉されている盲目の王女レイア姫に差し迫る様々な危険や恐怖、それを守りながら学をも授けていく王である父。これを中世ヨーロッパを思わせる雰囲気の中、芸術への誘いや視覚に頼らない描写を混ぜながら魅力的な世界観に導かれる。それが中盤から正に世界がひっくり返る様はお見事!“闇”と“光”この対比の描き方がなかなか深い。とにかく多くは語るまいが、一言にすれば「間違いなく面白い」2016/01/05
勇波
413
初作家さんです。前々から気になってました。俗物過ぎる自分には美しすぎる内容です。情景描写の美しさだけではなく、ミステリとしても評判通りの作品ではと。。解説が皆川博子さんというのもとってもいいです。是非とも全作品読破したい作家さんがまた見つかりました★2016/01/14
徒花
379
おもしろかった。盲目の姫君・レイアが王や側近の女性との交流を描いていく物語。いわゆるどんでん返し系の物語だが、一発芸人のように瞬間で終わってしまうのではなく、何段かの驚きを順番に読者に提供しているところに技量の高さを感じさせる。ただ、やっぱり最後の解釈を読者にゆだねるような終わり方はちょっとモヤモヤするので好みじゃない。2017/05/21
小梅
378
読友さんオススメ本。前半は盲目の王女レイアと同じく闇の中で想像する美しい情景や恐怖。中盤からはイッキ読みでした。読みながらイメージしていた情景の崩落。素敵な作品に出会えて感謝です。2017/11/16
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- 和書
- 農地六法 〈令和3年版〉