出版社内容情報
発売1カ月で使用者15人が死亡した「ハートショット」など、劇薬化する危険ドラッグ。なぜ蔓延したのか? 撲滅は可能か? 世界的な薬物事情や公的機関の対策、製造・販売者への直接取材から、その全容に迫る。
内容説明
発売1カ月で使用者15人が死亡した「ハートショット」など、劇薬化する危険ドラッグ。なぜ蔓延したのか?撲滅は可能か?世界的な薬物事情や公的機関の対策、製造・販売業者への直接取材から、その全容に迫る。
目次
第1章 半グレが仕切る闇稼業
第2章 製造・販売業者たち
第3章 厚労省麻薬取締部の取り組み
第4章 危険ドラッグの鑑定法
第5章 ドラッグ認可制の誤算
第6章 壊滅する流通網
第7章 半グレのシノギが向かう先
著者等紹介
溝口敦[ミゾグチアツシ]
ノンフィクション作家。ジャーナリスト。1942年、東京都に生まれる。早稲田大学政治経済学部卒業。出版社勤務などを経て、フリーに。2003年『食肉の帝王』(講談社)にて、第25回講談社ノンフィクション賞を受賞。常にきわどい問題を扱い続けるハード・ノンフィクションの巨匠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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むーちゃん
100
読了。 ちょっと時間軸が若干古いかと。 日本人はなんだかんだいって真面目な人が多めのため、海外に比べまだ薬物蔓延は免れてるのかと。 現在コロナもあり、こと世界も変わっていくんでしょうね。2021/04/24
みゃーこ
43
危険ドラッグ台風(ハートショットによる酩酊事故)が吹き荒れた2014年以来厚労省は平成27年麻薬対策課関係予算を2億5千万から一気に11億円と5倍近い予算要求を出し、本格的に危険ドラッグ乱用防止を強化させている。デザイナードラッグを数多く生み出したことで知られるアレクサンダー・シュルギン博士(MDMAやエクスタシーなど数百種類のデザイナードラッグと称される向精神薬を合成し、それらの効能を自分でテストした幻覚剤の研究者である。)が88歳で昨年亡くなったようであるが。危険ドラッグは暴力団のシノギではなく、もっ2015/04/30
リキヨシオ
25
危険ドラックには3つの系統、合成カンナビノイド系、合成カチノン系、幻覚系がある。暴力団中心の覚せい剤ビジネスに比べて、危険ドラックは「半グレ(ヤンキー気質、堅気とヤクザの中間、非暴力団の愚連隊的存在)」が関わるビジネス。危険ドラックの関係者は儲ける事を考えて「より一層効く」危険ドラッグを開発販売している。表向きは鑑賞用で販売しているので使用法や使用量などの使用説明がされてなく危険性すら判らない。昨年の池袋事件がきっかけで縮小傾向にあるけど、危険ドラックビジネスには未練はないらしい…次はどこを狙っているのか2015/07/31
しぃたろ@記録の一部が消失:(
17
社会問題として世間を賑わせた危険ドラッグについて製造・販売業者、医学・薬学関係者、麻薬取締官から得た情報を、"半グレ"の実態を交えながら分かり易く纏めた一冊。日本の危険ドラッグ市場はほぼ壊滅状態にある様だが、"半グレ"が辿り着く"新たなシノギ"は一体何になるのだろうか。非常に興味深く読めた。2016/01/29
もよ
12
著者が医学・薬学の知識がないせいか、「危険ドラッグ」そのものに関してはほとんど内容は無いが、「危険ドラッグ稼業」に関し著者の言う「半グレ」の実態を絡めながら分かりやすくまとめられている。2015/06/12