刀に生きる―刀工・宮入小左衛門行平と現代の刀職たち

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刀に生きる―刀工・宮入小左衛門行平と現代の刀職たち

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  • サイズ B6判/ページ数 252p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041023471
  • NDC分類 756.6
  • Cコード C0072

出版社内容情報

聞き書きの名手が描き出す、いま日本刀に生きる職人たちの姿。高倉健が愛した刀工・宮入小左衛門行平。左利きというハンデを克服し、人間国宝の父の跡を継いで刀工として生きる彼と、第一線の刀職者たちへの10年以上に及ぶ取材から、現代の刀作りにおける「美」「哲学」「技」を描く。
日本刀剣界の第一人者が集った、日本刀の魅力が詰まった一冊。
刀工・宮入小左衛門行平
「道具ってのは、ある一定の決まりがあるんですよ。弓にしろ長刀にしろ決まりがあるんです。形式ということです。崩してはいけない形の中に美があると思います」
研ぎ師・本阿弥光洲(人間国宝)
「研ぎ師の使命は、作者が打った刀をいかによく表現していけるかっていうことです。どこまでも刀があっての研ぎです。そのために技量を磨くんです」
鞘師・高山一之
「こういう仕事は、失敗っていうのは絶対にないという思いでないとやれません。何かでぶつけても人間のやることだからっていうような甘い感覚だったら、もう無理なんです」
塗師・川之辺朝章
「きちんと塗れてるか、丸さ、厚さ、平らさ加減は手の感覚でわかります。長年やってますからね。人間の指先は本来すばらしい感覚をもってます」
白銀師・宮島宏
「後継者がいないと、後が難しいですよね。刀が存在する限り、ハバキなしっていうわけにはいきませんから。日本の伝統だけに、難しい問題です」
柄巻師・岡部久男
「一回結んじゃったら、これで100年は保ちます。糸が切れないかぎり締め直しってことはないんです。柄はほんとうによく考えられてますよ」

※正しくは、本阿弥の弥、川之辺の辺は旧字体、高山の高は「はしごだか」です。また、ハバキは金偏に祖と書く漢字を使用しています。

まえがき

第一部 刀工 宮入小左衛門行平
 第一章 生い立ち
 第二章 修業時代
 第三章 刀とは
 第四章 刀を作る
 第五章 高倉健さんと刀工

第二部 現代の刀職
 第一章 研ぎ師 本阿弥光洲
 第二章 鞘師 高山一之
 第三章 塗師 川之辺朝章
 第四章 白銀師 宮島宏
 第五章 柄巻師 岡部久男

あとがき

※正しくは、本阿弥の弥、川之辺の辺は旧字体、高山の高は「はしごだか」です。

塩野 米松[シオノ ヨネマツ]

内容説明

当代の匠たちが語り尽くした、日本刀づくりのすべて。

目次

第1部 刀工 宮入小左衛門行平(生い立ち;修業時代;刀とは;刀を作る;高倉健さんと刀工)
第2部 現代の刀職(研ぎ師 本阿彌光洲;鞘師 高山一之;塗師 川之邊朝章;白銀師 宮島宏;柄巻師 岡部久男)

著者等紹介

塩野米松[シオノヨネマツ]
作家。1947年生まれ。秋田県出身。東京理科大学理学部応用化学科卒業。聞き書きの名手として、失われゆく伝統文化・技術の記録に精力的に取り組んでいる。文芸作家としても4度芥川賞候補となる。絵本の創作も行い『なつのいけ』(ひかりのくに)で第8回日本絵本賞大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

inami

6
◉読書 ★3.5 日本刀を知らない日本人はまずいない。でも、どのように作られているのかを知っている人は少ない。日本刀一振りに、刀鍛冶、研ぎ師、白銀師、鞘師、さらに拵となると塗師、飾り職人、彫金師、組紐師、鍔師、柄巻師がいる。江戸時代が終わり、明治になって武士という階級がなくなり、特殊な人を除き刀は不要になった。技というのは形を作り出すためだけのものではない、素材に対する心得や業者仲間の掟や倫理、前後の職業を受け持つ職人への配慮など、言葉にならぬ生きようが職業を支えた・・日本の伝統・技の伝承をどうする? 2017/10/04

えぬ氏もわるよのぉ

5
刀は、刀身本体のみならず、柄や鐔、鞘といった拵も、一流の職人が作ったものは本当に美しい。そんな高価なものは僕にはとても持てないが。というか僕ごときが持つものではない。というか持てない。万一傷つけてしまったりなんて思うと、怖くてとてもとても……。2019/04/28

たまネギ子

2
作家の方が書かれているので文章が読みやすい。良くできたドキュメンタリー番組を見ている感じで面白かった。左利きは刀鍛冶になれないというのを初めて知った。2018/01/10

はれ

2
聞き書きの塩野米松さんが刀工宮入小左衛門行平さんの元へ通い10年以上かけてやっとまとまったというこの本。聞き書きだからこそ、素人でもわかるように書かれています。これから時代小説を読む時にも度々思い出す本だとおもいます。2016/12/04

ほげっひ

0
目から鱗がポロポロと落ちる一冊でした。刀に触れる機会もそう頻繁にあるものでもないとは思うのですが、量より質、というか良い物を見よ、というのは刀に限ったことではないとも思いました。中でも印象に残っているのは柄巻。あんな風に巻かれているとは…!時代によって刀も違うというのも、当然といえば当然なのですが驚きでした。そして「生業」として「伝統」としての刀職の在り方といった部分も垣間見えるので、これまた色々と考えてしまいますね。結論、面白かったです!2017/04/07

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