内容説明
「掃除」は、「長物」を手にフィールドを舞い、「塵芥」を回収する競技。高校3年生の藤代樹は、掃除のパートナー「対」の偲とともに、高校最後の大会に向けて修練を積む。しかし、掃除の奥義に近づいた樹を待っていたのは、国家権力をめぐる騒乱だった。樹は掃除を極め、争いに終止符を打てるのか―。奇想世界を舞台に繰り広げられる、「王道」青春小説第3弾!!
著者等紹介
三崎亜記[ミサキアキ]
1970年福岡県生まれ。熊本大学文学部史学科卒業。2004年「となり町戦争」で第17回小説すばる新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinnov
36
お見事!!「たかが部活」に三年間の全てをかけた少年少女たちの「青春」の物語。鋭いが青くどこか頼りない喝から始まり、美しく強い演舞と響く喝で幕を閉じた彼らの日々に、共に歩んだかのような親しみを覚えた。著者独自の世界観で精細に構築された架空の世界が、生き生きとここにあるかのように私を取り囲み、日常やら政治やら謀りやら愛情やら友情やらで彩ってくれた。彼らともっと過ごしていたい。「たかが」こその限られた時間と喜びを楽しみ尽くしたい。そんな想いを感じながらの名残惜しさと希望こそが、青春なのだろう。#ニコカド20202021/01/05
ジンベエ親分
31
どこまで広げるその風呂敷、そしてどうやって畳む?という感じに膨らんでしまった物語だが、掃除が国によって慎重に管理されるスポーツである理由は、ここでようやく明かされた。そりゃーそうなるわ。ということは、このネタは最初の「コロヨシ!!」の時から作者の頭にはあった、ってことなんだろうな。場面展開が早くテンポの良い文章という、他の三崎作品とは毛色が異なる特徴のおかげで、一気に読ませてはくれる。面白いし。ただやっぱり「高校の部活」としての話をもっと読みたかった。それと肩車バスケと跳び剣の話を読みたいぞ。2017/01/04
RIN
29
結論から言えば、ここまで広げなくても良かった、ような・・・。というより、別の物語でつなげた方が三崎さんらしいワールド完結!という感じになったかな、と。とはいえ、十分に堪能した三崎ワールド。この後もこの子たちはどこかで登場しそうな気もするし、別の物語でクロスしそうでもあるし、楽しみなことは間違いない。2019/01/27
リキヨシオ
28
「青春×スポ根×掃除」という衝撃的な組み合わせ「コロヨシ!!」の完結編!スポーツとしての掃除、国家の歴史と掃除、明らかになる「掃除」の奥義と掃除の正体!青春スポーツとしての掃除が国家の命運を揺るがす事態に!1巻はスポ根青春が強く、2巻からは徐々に国家的な政治色も強くなっていくから、3巻で改めて掃除が「活動限定スポーツ」だった事を思い出して少し切ない気持ち…まあ終わり方はすごく爽やかですが…。あんな情熱的で魅力的なスポーツである掃除が3年間限定なんてもったいないなと思ったり…だからこの続編も見てみたい気分!2015/10/09
橘
27
とても面白かったです。謀りは謀りをもって征す。国家にまで広がる世界観にどうなることやらと思いましたが、大団円でした。あんな人やこんな人がこう関わるのかとびっくりしました。掃除と相撲のシーンも面白かった。樹と偲の掃除の旅も気になりますし、その後が気になる登場人物も多くて、続きはないのかなぁという気持ちです。三崎さんはやっぱり面白いなぁ。2016/05/22
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