内容説明
「栄光が何だ。馬鹿野郎!」という言葉を生んだデモクラシーへの渇望と、闊達な精神に満ち溢れた回想録。サンフランシスコからD.C.、N.Y.、そしてフロリダ、キューバへ。旧日本海軍の名参謀・大井提督が若き日を振り返る、もうひとつの『モーターサイクル・ダイアリーズ』!
目次
第1章 保科さんと私
第2章 解説(シャロッツヴィルというところ;大井海軍大尉のアメリカ留学;大井さんと私;ヴァージニア大学での勉強;ジェファソンのデモクラシー;ジェファソンの矛盾、南部の矛盾;一九三〇年代のアメリカ;日本人のアメリカ観;対米開戦とアメリカ理解)
著者等紹介
大井篤[オオイアツシ]
1902年山形県生まれ。海軍兵学校卒業後30年から32年まで米国ヴァージニア大学、ノースウェスタン大学に学ぶ。上海事変勃発とともに駐米大使館海軍武官室勤務となる。その後中国沿岸警備艦隊参謀、華南沿岸封鎖艦隊参謀などを経て43年から終戦まで海上護衛総司令部参謀を務める。海軍大佐。終戦後は、戦史研究家、軍事および国際政治評論家として活躍。94年没
阿川尚之[アガワナオユキ]
1951年生まれ。慶應義塾大学在学中に米国ジョージタウン大学に留学し、同大学スクール・オブ・フォーリン・サービスならびにロースクール卒業。アメリカでの弁護士資格を取得し、日米の法律事務所に勤務。99年より慶應義塾大学総合政策学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roatsu
17
元・海軍参謀の大井篤氏が大尉時代に米国事情研究のため世界恐慌直後の米国に渡って学び、かつ米国各地を見聞した回想録。外国研究と理解とはかくあるべしと考えさせられる。大戦間の頃、太平洋を挟む仮想敵で次第に不穏の度を増す情勢下にありつつも日米が対等のパートナーとして関係し合えていた良き一時代を偲ぶ貴重な資料でもある。ともに渡米した敬愛する上官・保科中佐をはじめとする同僚達のユーモア溢れる逸話も多く、当時の愉快な留学を追体験できると思う。第二部の阿川さんの解説も程良い補完となっていて非常にバランスがいい一冊。2015/11/21
ごいんきょ
1
こういう本で米国の民主主義に触れることができるなんて思いもよりませんでした。2015/02/20