感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
松島
11
道徳は人間を絞め殺す道具だ。 これはなかなかがっんとくる一文でした。2022/03/25
kyouikufs
3
民子が野菊なので、政夫が竜胆…だと思ったんですが、違いましたね。願望では、ラストシーンは竜胆を握っていてほしかった…。やはり恋は叶わない方が美しいのでしょうかね。2013/04/12
nonicchi
1
「隣の嫁」が昔から好きで、久しぶりに読みたくなり図書館で借りました。実は「野菊の墓」に苦手意識があり、おおまかなストーリーは知っているので別に読まなくてもと思っていたのですが、この機会に通読。泣きました。これが伊藤左千夫の代表作ということに今更ながら納得。当時夏目漱石は「自然で、淡白で、かわいそうで、美しくて、野趣があって、あんな小説ならなん百万遍よんでもよろしい」と評したそうですが、民子の可憐さ、純粋さは読み書きを含めた教育を受けていないことに寄るものかなと、つい現代の視点でとらえてしまう自分がいます。2021/10/28
パキス
1
北村薫「秋の花」に書かれていた本。「野菊の墓」もいいが、「隣の嫁」の純朴さ、技巧の無さはとても好ましく、素直に心に響いてくる。2020/05/20
Hayao Kobayashi
1
「隣の嫁」は、ある青年と隣の家に引っ越してきた新妻との恋愛を描く物語だ。しかし、そんなプロットが連想させるような「昼ドラ」的要素は本編中に一切なく、実際は驚くほど実直な純愛物語である。 そして、他の実直な純愛物語の例に漏れず、2人は当時の「制度」という越えがたい壁に阻まれることになるのだが、そこから「ロミオとジュリエット」のように劇的な展開にならないのが、本作品の肝である。ビターというか、心を刺すものが残る終わり方である。 この結末の形は伊藤左千夫から当時の「制度」へ向けた「怒り」そのものなのだろう。
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