出版社内容情報
藤木 稟[フジキ リン]
著・文・その他
THORES柴本[トーレスシバモト]
イラスト
内容説明
春祭で賑わうノルウェーの田舎町で、獣の唸り声が聞こえたかと思うと、忽然として満月が赤く呑まれ、暗闇の広場に轟音が響き渡った。人々が「ラグナロク」という言葉を囁くなか、すぐ側の屋敷では凍死体が発見される。温かな外気温にもかかわらず、わずか数十分で氷漬けにされた書斎は、北欧神話に伝わる氷狼の仕業なのか。平賀とロベルトは調査を進めるが、事件の裏にはあの男が―!?天才神父コンビの事件簿、第8弾。
著者等紹介
藤木稟[フジキリン]
大阪府出身。1998年『陀吉尼の紡ぐ糸』でデビュー。ミステリー、伝奇、ホラー、SF、児童書など幅広いジャンルで活躍する。「バチカン奇跡調査官」シリーズ、「朱雀十五」シリーズ、「陰陽師 鬼一法眼」シリーズなど著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめありす@灯れ松明の火
102
今回のテーマは北欧神話。好きなモチーフだったので読んでいて楽しかったです。トリックも科学的エビデンスがあって納得できるものでした。北欧神話と聖書の物語は意外と共通因子が多くて探してみると面白い。狼さん可愛い。たゆらともゆらみたいだよ。シン博士と亡くなった親友、シン博士とローレン、ローレンと平賀、平賀とロベルト。この話にはコンビが多くて、今は無邪気に眠る二匹は今後、どんな関係になっていくのだろう。バチカン随一の肉体労働要員ロベルトの戸惑いと告白、そして解放が今回は印象的でした。大丈夫、あなたは一人じゃない。2015/06/12
和夜
99
ノルウェー編。前巻のメキシコ編ほどではないけどオーディンなど知ってる単語が出てきて楽しかったです。ラプラスのビル捜査官のその後やシン博士の過去が知れて、キャラを掘り下げてくれていてとても(いつもと比べたら)読みやすかったです。トリックがそこまで複雑じゃなかったし推理パートが短かったからかな?ジュリア司祭の前例もあるしビル捜査官のお父さんの件もあってどうしてもミッシェルを怪しく感じてしまう。シロだったらごめんね、ミッシェル。2019/01/26
青蓮
85
ノルウェーの北欧神話を科学で解明するシリーズ第8弾!遺伝子工学系の話しでした。このシリーズシン博士登場で前作よりSF色が上がりましたね。何だかんだいって無茶しすぎるロベルトにヒヤヒヤ。平賀を守りたい気持ちは分かるのだが、もう少し自分を大事にしてくれ給えよと言いたい。今回はシン博士に泣けました。2017/06/23
ぽんすけ
80
初っ端からビル登場。デンバーの事件で世紀末ショックを受けてどうなっちゃったんだろうと思ってたけど。めっちゃ監視されてるみたいで不便だし、あからさまに左遷されてるけど生きてるからヨシ!ビルが堅いから相棒のミシェルがゆるふわでいいと思う。そして今回シン博士がなんであんなにローレンを憎んでいるのかが明かされて、私ローレンすきなんですけど博士の気持ちはよくわかった。そりゃ許せないよね。しかしシン博士よー泣くな。主人公コンビは今回もいい塩梅で活躍。平賀とロベルトがそれぞれの得意分野でいいコンビネーションだった。2023/06/09
ううち
71
今回も読み応えありましたが、いつもより読みやすかった気がします。新キャラのミシェルが何となく気になる存在。シン博士の過去も明らかになってきて、ますます今後が気になります。神父の顔を使い分けるロベルトが相変わらずかっこいい。2015/02/04