内容説明
東京の有楽町と間違えて、おばけの町―幽落町に引っ越した僕・御城彼方。生身の人間なのに“あの世”と“この世”の中間の不安定な存在として、この町で1年間暮らさなければならなくなった僕は、大家さんでもある龍の化身の水脈さんに助けられながら、毎日を過ごしていた。そして今日も、水脈さんの営む駄菓子屋“水無月堂”には、悩みを抱えた“人ならざる者”が救いを求めてやって来る…。
著者等紹介
蒼月海里[アオツキカイリ]
宮城県仙台市で生まれ、千葉県で育ち、現在は東京都内で書店員をしている兼業作家。日本大学理工学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夢追人009
162
ユーモア人情ホラー小説の幽落町おばけ駄菓子屋シリーズ2冊目。今回も短い噺4つとも最後には必ず心癒やされるホンワカとした温かな読み心地でしたね。悪役のマッド・ドクター都築と迷い家の真夜さんも加わって物語にさらに厚みが出ましたね。水脈さんは旦那・お兄さんと呼ばれるので男である事を忘れはしませんが、まあ普通に女子でもいいかなと思える華やかな存在ですね。やはりシリーズ一番の楽しさは黒猫の猫目ジローと大学生・彼方君の漫才風の掛け合いで、これは著者の生まれの仙台ゆかりの伊坂幸太郎さんに通じる資質なのではと思いますね。2018/12/02
りゅう☆
92
幽落町第2弾。前作の詳細を忘れてしまって『つづきのはなし』の都築に対して、医者の彼が水脈となぜ対立してるのか思い出せないー。でもこの対決はまだまだ続きそうだな。現世で何かしら未練あって常世に彷徨う死者たち。老婦人の『おもいでのあじ』を探して一緒に食べたり、彼方の祖父の生前の思い出の中にいた『みちのくのいえ』の主であり執事風な真夜が新たな仲間として加わり、ますます賑やかになりそうだ。そして猫目の水脈へ対する愛情の深さ故に素直に嫉妬しまくるところの可愛さや、水脈の和菓子スイーツに目がないギャップがキュートだ。2017/02/02
ひめありす@灯れ松明の火
67
デパートで真っ先にTOBUが出てくるなんてっ……!さては総武線か京成線ユーザーだな?!この方は本当におじいちゃんっ子で地元愛の強い方だ。ホラー文庫にしておくのが惜しい様な、可愛らしくほのぼのとしたお話が続きます。ジローさんと水脈さんのやり取りが微笑ましい。水脈さんはどれだけ甘いものが好きなんだろ~?一緒に甘味処巡りをしたいです。何となく彼とはうまくやっていける気がします。楽しかったのはエイセイボーロの件。私も衛生だと思っていました!そして何故だろうと思っていましたとも!!そんな賑やかな情景が楽しいんです。2015/01/31
はつばあば
55
幽落町の彼方と水脈、華舞鬼町の那由多と狭間堂。時代が変ってもアヤカシと人の世界が交わる。この巻ではマヨイガの真夜さんが新しく登場。そうそう先週久し振りにエイセイボーロを生協で注文しておいたのが今日届いた。?エイセイボーロじゃなくカルシウムボーロとある。愛知じゃタマゴボーロ?京都じゃエイセイボーロって言うんです2020/02/06
はつばあば
55
このシリーズを纏めて購入したので、1巻を昨日再読。今日は2巻目を。心優しき龍の水脈さんとアヤカシの世界で暮らせるのも、優しかったおじいさんと彼方君の思い出のおかげ。香月さん亡くなられし後のアヤカシ本。まだまだ未知数。6巻まで一気に読むか、浮気だったと軽く流すか・・。3巻に入ります(^^♪ 2016/07/06