内容説明
マドリードで盗まれたゴヤの名画。イギリスで捜査を担当する臨時主任警視のマートランドは、学友の画商チャーリー・モルデカイを訪ね手がかりを得る。ナショナル・ギャラリー、ターナー作品の裏に隠された一枚の写真。石油王クランプフのビンテージ・カーを、外交封印のもとにアメリカに運ぶ仕事を引き受けたモルデカイだが、マートランドに弱みを握られ汚れ仕事を押しつけられ―。
著者等紹介
ボンフィリオリ,キリル[ボンフィリオリ,キリル] [Bonfiglioli,Kyril]
1928年、イギリス・イーストボーン生まれ。画商、編集者、小説家。85年、肝硬変で死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MATHILDA&LEON
26
最初から最後まで、色んな意味で個性的な文章と展開。なかなかサラッと読めずに悪戦苦闘しながらも、途中でやめてしまわなかったのは、やはり主人公の強烈なキャラクター性とブラックユーモアが溢れる言葉のセンスが凄かったから。2巻に続くなら、急いで図書館に走らねば。2015/06/16
瀧ながれ
14
楽しんでいるのか怒っているのかわからない笑顔で、誉めているのか皮肉なのかわからないことを言いまくり、会う人会う人片っ端から敵を作りまくるチャーリー・モルデカイ。分刻みで命がけの展開に、本筋をしょっちゅう見失い、チャーリーの言動を追うのが精一杯でしたが、オチまで見失いました。とりあえずチャーリーは生きているのね、続巻があるのだから。…あの忠実なジョックは?2015/02/05
けいちゃっぷ
13
シリーズ3作目がサンリオSF文庫から『深き森は悪魔のにおい』のタイトルで出ただけなのに、映画化のおかげで全4作が出版の運びに。 なんとも飄々としているというか、つかみどころがないというか。 おそらく『モンティ・パイソン」を楽しめた人なら、これも楽しめるかも。 318ページ 2015/03/14
ドナルド@灯れ松明の火
11
いやー疲れた。原作がそうなのか丁寧に訳したのかとにかくまどろっこしかった。前半の人物描写・紹介、周りの状況。いかにもの鼻持ちならない英国の身分階級毎のファッションや考え方が(多分皮肉を込めて)語られていく。後半米国にロールスロイスを持ち込むあたりから面白くなるが最早惰性で読んでいるようなものだった。本作に限っては映画の方が面白いと思う。 続編を読むかどうかは微妙。 2015/04/22
REI
8
映画を観ていてもこの難しさ!そして、やっぱりジョックが素敵!文化的な専門知識がなくて、母国語も英語じゃないのでなんとも言えないけれど、原文で読めたならもっと面白いのかもしれないなと思う。2巻以降も読みたいんだけれど、どうしようかな?2016/02/29