出版社内容情報
天賦の才を持つ岩壁登攀者、羽生丈二。第一人者となった彼は、世界初、グランドジョラス冬期単独登攀に挑む。しかし登攀中に滑落、負傷。使えるものは右手と右足、そして――歯。羽生の決死の登攀が始まる。
内容説明
1924年6月8日、世界初のエヴェレスト登頂目前で姿を消した登山家、ジョージ・マロリー。彼の登頂の可否は、登攀史上最大の謎となった。鍵を握る古いコダック―マロリーのカメラをカトマンドゥの裏町で手に入れた写真家の深町は、カメラに誘われるようにその男に出会う。孤高の登山家、羽生丈二。数々の難所に挑み伝説となった男は、挫折を経て失踪していた。羽生の命を賭けた最後の挑戦とは?山岳小説の最高峰!
著者等紹介
夢枕獏[ユメマクラバク]
1951年、小田原生まれ。東海大学卒業。『上弦の月を喰べる獅子』で第10回日本SF大賞、『神々の山嶺』で第11回柴田錬三郎賞、『大江戸釣客伝』で第39回泉鏡花文学賞、第5回舟橋聖一文学賞、第46回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
佐藤(Sato19601027)
110
伝奇・格闘小説の絶頂期にあった夢枕獏さんが、1997年に刊行した新境地。山岳カメラマンで記者の深町誠の視点を通して、英国の登山家ジョージ・マロリー(実在)と、日本人登山家・羽生丈二(フィクション)の常軌を逸した行動を追う物語。マロリーは、新聞記者の“Why did you want to climb Mount Everest?”という問いに、“Because it’s there.”と答えた偉大な登山家。羽生丈二もまた、エヴェレストに魅せられた男として描かれる。感想は下巻を読み終えてから。2025/12/22
Shinji
104
「登山」の話なんですが、もちろん私なんかがする登山ではなくサブタイトルにある別次元の命懸けの山のお話。羽生丈二の伝説的な話とマロリーのカメラの謎を巡るミステリーの共立。酸素濃度が薄くなるような高山には登ったことがないけど、山の魅力は凄く理解出来る!地に足をつけて見られる地球上で一番高い景色・・・ 遺書を書いてまで登りたくなる気持ちは分かるなぁ… 雪崩とかが怖いから私はムリだけどね。深町と羽生のアッサリした出会いだけに下巻はもっと急展開なのか!? 次いきますよ!2016/03/28
おかむー
80
短篇などでも山岳小説を描いている夢枕獏が、世界最高峰エヴェレストを題材に挑む渾身の長編上巻。『たいへんよくできました』。主人公である山岳写真家・深町の視点から異端にして伝説的な登山家・羽生が掘り下げられてゆく物語は、命を削るように剥き出しの己で山に挑み続けるその姿に素人な俺でも揺さぶられるものがありますね。羽生のグランドジョラスでの手記はまさに夢枕獏の独壇場、ゴツゴツとした原石の言葉が響く。多少のドラマを搦めつついよいよ最高峰に挑む下巻への期待がいやがおうにも高まるものです。2015/10/24
夜長月🌙
69
山や登山についてはまったく詳しくないのですが、エヴェレスト初登頂にまつまる謎には引き込まれました。登頂直前に遭難したと思われているジョージ・マロリーは実は登頂後に遭難したのでしょうか。鍵となるマロリーのフィルムがどう展開するのか興味津々です。出てくる登場人物がどれもくせ者で山に人生をかけるような登山家は人として何か欠落し、また同時に何かを天から与えられた人たちに思えました。急ぎ下巻へ。2021/04/16
mint-s
63
ネパールの首都、カトマンドゥ。カメラマンの深町は登山用具店で古ぼけた一台のカメラを見つけ、伝説の登山家、羽生丈二に出会う。そのカメラはエヴェレスト登頂の謎を知っているのか⁈羽生はなぜ登ろうとするのか、羽生が涼子に送ったトルコ石は何を意味するのか....。下巻へ。現在のように軽量化された防寒具も用具もない中で登攀し、雪と氷の岩壁の途中でテントを固定してみの虫のように眠るなんて想像しただけでゾッとする?2019/02/17




