内容説明
普通のサラリーマン、久留米充の頭痛の種は、同居中の友人・魚住真澄だ。誰もが羨む美貌で、男女問わず虜にしてしまう男だが、生活力は皆無。久留米にとっては、ただの迷惑な居候である。けれど、狭くて暑いアパートの一室で顔を合わせているうち、どうも調子が狂いだし…。不幸な生い立ちを背負い、けれど飄々と生きている。そんな魚住真澄に起きる小さな奇跡。生と死、喪失と再生、そして恋を描いた青春群像劇、第一巻。
著者等紹介
榎田ユウリ[エダユウリ]
東京都出身。おもにライトノベルにて活躍。榎田尤利名義でも著作多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ソルティ
246
意外におもしろい。魚住くん、なぜだか魅力的。過去も壮絶で感情とか麻痺してしまってるのかも。弱者で擁護しなきゃ、という気にさせられる、そういう魅力がある。しかし時として男も誘惑してしまい、本人にも全く自覚なく、男の方も普通に女性が好きで、魚住くんもそうなのに、友人の久留米とは、お互いそういう気になってしまって2人苦しんでいる。BLのようであるけど違うような(笑)。続き読みたくなった。「「救えないわよ。魚住に限らないけど、他人を救うことなんかできるわけないじゃない。多少の手助けはできるかもしんないけどさ」」2020/01/15
takaC
141
そんな話(どんな話かは読んでのお楽しみ)だとは思っていなかったので若干戸惑ったが5巻いっぺんに借りてきてる手前とりあえず読破してみよう。でも話が進むほどにどんどん過激になっていくな。怖いもの見たさ。2017/08/24
じぇりい
125
「カブキブ!」からの榎田ユウリさん。一般文芸の角川文庫の棚に、カブキブの横に普通に並んでたのに、そっちですか?名前がカタカナだったので騙されました。レビューを見てみれば皆さんご存知なのね(^_^;)魚住や久留米もだけど、脇を固めるキャラも味があって、読んでて嫌な感じはしなかったわ。怖いもの見たさで?榎田尤利名義も読んでみたくなる。2014/09/26
りゅう☆
101
久留米のアパートに学生時代の友人魚住が転がり込んできた。嗅覚を失い、学生時代は常に女がいたが性欲も喪失。子供のような頼りなさと人並み以上の図々しさを兼ね備え、イケメンな容姿に全く興味ない魚住。喜怒哀楽を表さない魚住が久留米に対して抱き始めた思い、そして久留米も認めたくない感情に気付く。なに?!このドキドキする心理描写に戸惑いの隠せないステキなBLの予感。隣人サリーム、久留米の元カノマリ、魚住の元カノで同じ研究室の響子、魚住の性欲を復活させた濱田など脇役もいい。こういうの好きかも。もちろん2巻へと続きます。2016/07/24
にいにい
101
初榎田ユウリさん。こんな内容とは思わず読んでしまった。BLなんだ。濱田、久留米、マリのキャラは、しっかり創りこまれていて、特に、久留米は、いいなぁ! で、魚住は、この物語だけに存在するんだ。こんな人間は、絶対この物語以外で生きていけない。つまりは、存在しないよね。これが、BLの王道なのかな?あまり縁のない作品分野なので、わからないけど、じらして焦らして、最後にはってパターンかな?この世界には、男の友情は無いんだろうな?と勝手な感想を並べてしまう作品。面白くはあるんだけどね。久留米といると安心感がある。2014/08/27