出版社内容情報
小池 龍之介[コイケ リュウノスケ]
著・文・その他
宮崎 哲弥[ミヤザキ テツヤ]
著・文・その他
内容説明
人とのつながりは確かに大事だけれど、そればかりでは息苦しい。かといって、孤独でいるほどの勇気もない…。『考えない練習』『しない生活』でおなじみ、小池龍之介と評論家・宮崎哲弥が2人でコッソリ話し合いました。「さみしさ」ってどこから来るのですか。そして、どうしたらこの感情から自由になれるのでしょうか―?
目次
序章 孤独を受け入れて力に変換する―小池龍之介
第1章 孤独ってそもそもなんだ?
第2章 さみしいのって現代病ですか?
第3章 さみしさって必要なんですか?
終章 小池龍之介さんのこと―宮崎哲弥
著者等紹介
小池龍之介[コイケリュウノスケ]
1978年生まれ。山口県出身。東京大学教養学部卒。月読寺住職、正現寺住職、ウェブサイト「家出空間」主宰。僧名は龍照。住職としての仕事と自身の修行のかたわら、一般向け瞑想指導も行っている
宮崎哲弥[ミヤザキテツヤ]
1962年生まれ。福岡県出身。評論家。慶應義塾大学文学部社会学科卒。90年代に入って執筆活動を開始。テレビ、ラジオ、論壇誌を舞台に生命倫理から政治哲学、仏教論、サブカルチャー分析を主軸とした評論活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ねこさん
25
苦の原因と抜苦の実践方法が、二人の恋愛やセックスを含めた経験と共に語られている。例えば「怒っている私は今、苦しいかも」という自覚の芽生えにあるような人の参考になると思う。個人的には、不足と欲求、欠落と焦燥、承認欲求の発露としての不安、身体的苦痛などを刻々と生じさせる自我を対象化して眺める修練、「集中力と冷静さを背景にしながら、ひたすら身体感覚と心理状態をモニタリングする」ことの日常化への道程を反芻するようで、時々の初心を思い出すことができた。仏教初学者と、日常のそこかしこに不安を潜ませている人に薦めたい。2018/12/28
ユズル
22
結婚生活どころか、人間関係さえも未だ発展途上というままならない環境ゆえ、なかなか痛いとこついてくし、たぶん、私の後半の人生も、さみしさにサヨナラ出来ず、意識しながら生きていく気がしました。2023/09/20
みやざき しんいち(死ぬまでにあと1,000冊は読みたいんだ)
14
(73/1000)今年もっとも読み応えのある一冊になるかもしれない。 哲学に詳しい宮崎哲弥と住職の小池龍之介のふたりが「孤独」や「さみしさ」について語り合う。 幸福感はコミュニケーションやセックスにあるのではなく「孤独感を受け入れる」ことにあるという。どんなに楽しいときでも、一人ひとりはそれぞれの記憶の中の宇宙に閉じ込められており孤立している。 結婚も愛されたいという呪縛から解き放されない限り幸せになれないという。 人間関係も、恋愛も、結婚も、大切なのは「貰おうとせずただ投げ与えるように与える」ことだ。。2018/11/06
fishdeleuze
14
(ゆるふわ系のお坊さんだと思っていた)小池龍之介氏と宮崎哲弥氏の対談集。さみしさとはなにか、孤独とはなにか、それに対する処方箋が各々の過去の恋愛話などとからめてなされている。個人的に一番興味を憶えたのは、小池氏が「自由意志は存在しない」と言い切っていたところ。いわば仏教理論の「劇薬部分」のためかあまり深く言及されていなかったが、この一言は自分自身にとっての思考の種となった。2014/12/10
文章で飯を食う
13
私達は、各々の記憶の色メガネを通して、世界を見ている。だから、完全には、わかり合えない。同じ映画で感動しても、同じ理由ではない。だが、自分の思考や感情を注意深く観察していくと、すこじずつ、自分の反応パターンが見えてくる。そこで、感情的にならず、ただ見るがままにして行くと、脳は心のこだわり(業ですね)を、少しづつほぐしてくれる。2018/02/17