出版社内容情報
原田 マハ[ハラダ マハ]
著・文・その他
内容説明
カンザス州の田舎町に生まれ育ったエイミー・イーグルウィングは、女性として初めて大西洋横断飛行に成功するなど、数々の記録を打ち立てていた。大空を自由に駆けることに魅了されたエイミーは、空から見た地平には国境が存在しないことに気づく。世界平和のために、自分は飛ぶのだ、と。その強い信念はやがて彼女を、世界一周に挑む「ニッポン号」との邂逅へとみちびく。数奇な真実に彩られた、感動のヒューマンストーリー。
著者等紹介
原田マハ[ハラダマハ]
1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部美術史科卒。伊藤忠商事、森ビル森美術館開設準備室、ニューヨーク近代美術館勤務を経て、2002年にフリーランスのキュレーターとして独立。05年「カフーを待ちわびて」で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞。12年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミカママ
304
怒涛の一気読み。ふむふむ、そういうことだったのね。太平洋の真ん中で消息を絶ったアメリア・イアハートは、今でもいろんなその後の憶測をされてるわけで。マハさんもそれに一枚噛んでみた、という史実に基づいたストーリー。二つの史実をつぎはいだわけで、そこに多少のアラが生じたのはご愛嬌。日本の開戦前の緊張と、何より日本人たちが成した大事業に想いを馳せられた、ステキな作品でした。2016/02/15
hiro
213
ニッポン号がドイツのポーランド侵攻、日中戦争という時代に、どのように世界一周飛行を成し遂げるのか、それにエイミーがかかわったというフィクションの部分をあわせて注目して下巻を読んだ。空から見た地平には国境が存在しない、世界平和のために飛ぶというエイミーがいたから、ニッポン号の国威発揚の部分が薄められため、日本製の航空機による世界一周の快挙を鮮明に読むことができた。特にベーリング海横断、アンデス山脈越え等を手に汗を握る部分を含め、今までの作品とは全く違う飛行機という題材を取り上げた原田さんの幅広さに驚いた。2015/07/12
小梅
204
勝手にマハ祭り10冊目。良かったです。エイミーが機内に隠れてる時にトイレとか大丈夫だったのかな…とか、変な心配をしてました。エイミーって映画「ナイト・ミュージアム」に出てきた女性パイロットですか?お正月に映画を見直してみようと思います。 2019/12/18
とし
180
翼をください 下巻。実話ではと錯覚するような物語でした、清々しくて爽快な気持ちと悲しみと、目頭が熱くなるたくさんの感動を、台北から羽田中尾さんの苦悩、エイミーの決断、山田さんの気持ち8人の搭乗員の国境を超えた友情、山田さんの羽田でのスピーチ最高ですね。 2015/10/05
AICHAN
174
図書館本。暁星新聞社は社機による世界一周飛行を実現させるべく海軍次官の山本五十六中将に九六式陸攻の貸与を願い入れ、いれられる。同社はそれを民間機に改良発注し、機長、整備士、通信士などは外部から雇い入れ、いよいよ出発。そのとき機長からもうひとりの搭乗員が紹介される。世界一周に挑戦し失踪したエイミーだった。上巻で世界一周を成し遂げたニッポン号の写真の窓にエイミーの顔があるのを記者は発見したが、やはりエイミーは生きていた! こうしてエイミーを含む搭乗員8名は赤道周りの世界一周に成功する。見事な構成。満喫した。2018/10/29