出版社内容情報
武家に生まれながら、商家に養子に出された高田兵衛は、幸せな日々を送っていた。だが、兄が病死し、兵衛は高田家を継ぐことに。商人として育てられた留守居役が、優しき心と秘めた剣才で難事を解きほぐす。
内容説明
武家に生まれながら、筆墨硯問屋に養子に出された高田兵衛は、政蔵夫婦とその娘で許嫁のお美津と幸せな日々を送っていた。月日は経ち、兵衛とお美津の祝言が迫ったある日、思いもよらぬ知らせが入る。兵衛の双子の兄が病死し、高田家を継ぐ者がいなくなったというのだ。生家を救うため、兵衛は高田家を継ぐ決意をするが―。商人として育てられた留守居役が、優しき心と秘めた剣才で難事を解きほぐす、書き下ろし時代小説。
著者等紹介
吉田雄亮[ヨシダユウスケ]
1946年佐賀県生まれ。雑誌編集者を経てフリーライターに。ノンフィクション、コミック原作、実録小説を手がけ、映画化、テレビ化作品も多数。2002年「裏火盗罪科帖」シリーズで時代小説作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
105
留守居役日々暦 1巻。留守居役江戸時代の外交官、訳あって町人に育てられた武士兵衛さん、算術もできれば剣術もできるが表面に出ない良い主人公ですね、読みやすく面白い。 2016/02/21
やま
63
① 1100冊目。吉田雄亮さんの新しいシリーズを読み始めました。留守居役の高田兵衛の活躍の物語です。商家で育った兵衛は、穏便に物事を解決するために、常に先を考えて対応します。その柔らかな人柄と、剣の腕で、禍根を残さず摘み取ります。面白く、展開が早く、テンポがいいのですが、字が小さいので読むのに少し時間がかかりました。兵衛は、横須賀藩の上屋敷で双子の弟として生まれた。武家では、双子は忌み嫌い弟を殺す。が、父・高田三右衛門は、兵衛を子供がいなかった横須賀藩出入の筆墨硯問屋「静修堂」へ養子に出した。→2023/03/22
はつばあば
47
久々の江戸時代に帰ってきました😅。双子で産まれたくて生まれたわけじゃない。それなのに・・・養子に出しておいてよかってね。武士より養子に貰われた先の商家の方が先見の明があったというべきか。武士の家に残った兄没後、商家にだされていた兵衛が実家と婚家を行きつ戻りつの生活。留守居役とは藩やその他の揉め事を収めたり、諸藩の情報収集するのが仕事らしい。商人として育てられてきているから目先は利くし、藩の人を大事にする反面・・・そう!厄介な人は問答無用とバッサリ。そういうところもいいかなと次巻を2024/10/12
onasu
19
剣は握り方も知らないとの触れ込み、商家育ちの留守居役が実は…、という痛快時代小説。続編を先に読みましたが、小気味のよさは編を問わず、初編もあっという間に。 初手は養家の商家より武家に戻る話しからと思いきや、そこは触れる程度で留守居役の仕事場から。それも、算術の腕でもってというより、商家の跡継ぎで培われたリーダー性と立ち回りで人を動かし、最後に剣を抜く。 何れは商家を継ぐ約束で、時折養家に戻り、仮祝言を挙げた養家の娘と過ごすのが息抜き。 こんな人は!て感はありありですが、そこには触れない、てことで。2015/02/13
ケイプ
12
武家の双子の弟として生まれ商家に養子にだされた兵衛。しかし兄の突然の死により再び生家に戻り留守居役としてお勤めすることに。面白く読めたのですが、事件解決には悪人をスパッと斬って一件落着、という毎回のラストがねぇ。。。あまり好きでないな。どことなく冷たく感じる兵衛ですが、仮祝言をあげたお美津とのこれからも気になるのでもう少し読んでみよう。2016/05/12