内容説明
第3のキマイラ・巫炎が日本に上陸。同じくキマイラ化した肉体を有する大鳳吼と久鬼麗一に会うために姿を現した巫炎は、大鳳を追う異能の格闘家・宇名月典善と激突する。一方、雲斎と九十九は麗一の父・玄造からキマイラの謎の一端を明かされる。「キマイラとは人類が捨ててきたあらゆる可能性の源」。その言葉の意味とは?そして、ついに対峙した大鳳と麗一。ためらう大鳳に、麗一は闘う理由を作ったと告げるが―。
著者等紹介
夢枕獏[ユメマクラバク]
1951年、小田原生まれ。東海大学卒業。『上弦の月を喰べる獅子』で第10回日本SF大賞、『神々の山嶺』で第11回柴田錬三郎賞、『大江戸釣客伝』で第39回泉鏡花文学賞、第5回舟橋聖一文学賞、第46回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おかむー
31
角川版キマイラ第七巻。『よくできました』。動きが見えづらかった展開も鳳吼と九鬼麗一、真壁雲斎と九鬼玄造のふたつの対面によって動き出す。この巻は雲斎と宇奈月典膳や岩村と脇田涼子の出会い、典膳vs巫炎や九十九vs菊池の仕合いなど組み合わせの構図が多いのも特徴的。物語のメインであるキマイラ化の結末がどこへたどり着くのかもだが、優しき巨漢・九十九とひたむきな執念の獣・菊池の決着がどうなるのかが確実に大きなテーマになってきているところが興味深い。今回確実に進展はあったものの、主人公・吼の出番はいまだ少ないのであった2014/10/05
ジーク
7
ここまで読んでしまうと、続きも読まなくちゃ眠れません。あぁ、まとめて読めるまで待てばよかったかも…。2014/07/05
黒蜜
4
面白かったです。冒頭の大鳳と九鬼の邂逅に四分の一ほどのボリュームを避けるのがさすが夢枕獏ですね。二人が拳を交えそうになるところで邪魔が入るのは、ボルテージを上げるだけ上げといてそれかよ、とフラストレーションが溜まりまくります。一方で、菊地の異常までの成長ぶりと果たして本当に九十九は負けてしまうのかということにも興味津々。負けても九十九は成長すると思うし、大鳳たちとの関わりを経て成長し、菊地に負けずに終わるというのもアリかなぁ、なんて思ったりする。第一、九十九は菊地に負けて欲しくない。2014/08/24
ぎん
4
久鬼と大鳳の再会、九十九と菊池の対決など静かな展開ながらも物語は進んでいく。 今回は珍しく大鳳の登場が多かった。2014/08/09
kiiseegen
4
少しずつ少しずつジグソーパズルのピースが埋まる様に物語が進む。第三のキマイラも来た。未だ未だ、謎だらけ・・・また再来月の次巻刊行待ち。あぁ~。2014/06/26