内容説明
保の家は、由緒正しき庭師の家系。大叔父が営むガーデンショップ「栽―SAI―」に居候しながら大学に通っている。そんな彼に、大学の先輩・香澄から「木を守ってほしい」との依頼が…。香澄の祖母が大切にしている梅の木を伐ろうとすると、不吉なことが起こるというのだ。それを解決してくれるのは、住み込みの無口でクールな庭職人・啓介。保の兄のような存在である彼は、なんと現代に生きる陰陽師だったのだ―。怪事の裏に隠された、人やあやかしのさまざまな“想い”を解き明かしていく、ちょっぴり怖くて、とっても優しい連作短編集。
著者等紹介
結城光流[ユウキミツル]
2000年9月『篁破幻草子 あだし野に眠るもの』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
Piichanの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみきーにゃ
59
《図書館》陰陽師と聞き読んだけど、何だか物足りない。総合的には面白く読めたけど物足りない感が拭えずモヤモヤしたまま終わってしまい残念。2015/03/21
ひめありす@灯れ松明の火
53
明治どころか、大正も、昭和も、二十世紀でさえ遠くなった二〇一四年。なれど悠久の昔から、思いつめた女の想いは生き霊となって愛しい男に纏い付くし、美しき女性は夜毎の悪夢に魘される。日の沈む時は黄昏時。逢魔が時ーーー大禍時。人ならぬものが跋扈する夜もある。ならば、そうした人の悩みを解決するのはやはり、陰陽師に他ならぬのだろう。呪具の代わりに枝切り鋏、お札代わりのショップカード。断ち切るのは厄介な樹木だけでなく悲しき因果に人の業。代わりに咲かせる笑みの花。吉祥寺にて、お庭の手入れとあやかし事、よろずに請け負います2014/08/10
みい坊
31
植物絡みの怪事と言うのは好みのお話です。木は怖いよ、桜が一番怖い。これはわかる気がします。時々、桜の幹に掌を重ねてしまう自分の行動、桜に引き寄せられる感じが有ります。一組の夫婦をずっと見守ってきた梅の木が、自分の命が尽きるまで残された妻を見守りたいと願う話は好きでした。梅に新たな命を吹き込んだ保君、お見事でした。面白く読んだ物語ですが、解決がみんな中途半端なところが残念。登場人物をめぐる謎も残っているので、続編があるのだと思います。次回はもっとスッキリと.妖問題も解決して欲しいと期待しています。2014/07/21
ダージリン
27
変なものに好かれてしまう主人公、保くんは何か可愛らしい性格をしている(笑)。そして彼を取り巻く人間たちも面白い。でも彼が巻き込まれる怪事がはっきりしなくて謎のままなので、ちょっと怖いです。いろいろ気になるので、続きを出してほしいな~♪2014/08/17
やんやん
24
大叔父の庭師の家に居候している あやかしに好かれる?保とと陰陽師と庭師の啓介。二人が出会う怪しげなもの。まだ序章な感じですが シリーズ化してくれたらいいな。2015/07/10