団地と移民―課題最先端「空間」の闘い

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  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041013885
  • NDC分類 365.35
  • Cコード C0095

出版社内容情報

そこは外国人、高齢者、ネトウヨが集う「空間」と化していた。
団地は、この国の“未来”である。
外国人実習生や排外主義者の問題を追い続ける著者が、日本だけでなくテロ直後のパリ郊外も取材し、日本に突きつける!!

団地。そこは、かつて「夢と希望の地」だった。
しかし、いまは都会の限界集落と化している。高齢者と外国人労働者が居住者の大半を占め、
さらにそこへ“非居住者”のネトウヨはじめ排外主義者が群がる。
排外主義的なナショナリズムに世代間の軋轢、都市のスラム化、そして外国人居住者との共存共栄……。
団地はこの国の課題最先端「空間」となっていた!!
厳しいこの現実に負けずに、“一緒に生き続けること”を実践している各団地の取り組みを私たちは“日本の未来”に出来るのか? 
この国の“これまで”と“これから”を浮き彫りにする、地べたからのルポルタージュ!!

内容説明

排外主義的なナショナリズムに世代間の軋轢、都市のスラム化、そして外国人居住者との共存共栄…。かつて「夢と希望の地」だった団地は、課題最先端「空間」となっていた!!厳しいこの現実に負けずに、“一緒に生き続けること”を実践している各団地の取り組みを私たちは“日本の未来”に出来るのか?この国の“これまで”と“これから”を浮き彫りにする、地べたからのルポルタージュ!!

目次

まえがき 団地は「世界」そのものだった
第1章 都会の限界集落―孤独死と闘う
第2章 コンクリートの箱―興亡をたどる
第3章 排外主義の最前線―ヘイトへ抵抗する
第4章 パリ、移民たちの郊外―レッテルを塗りつぶす
第5章 残留孤児の街―歴史の中に立つ
第6章 「日本人」の境界―差別と分断に屈しない
あとがき 団地は、移民のゲートウェイとなる

著者等紹介

安田浩一[ヤスダコウイチ]
1964年生まれ。静岡県出身。「週刊宝石」「サンデー毎日」記者を経て2001年よりフリーに。事件・社会問題を主なテーマに執筆活動を続ける。ヘイトスピーチの問題について警鐘を鳴らした『ネットと愛国』(講談社)で12年、第34回講談社ノンフィクション賞を受賞。15年、「ルポ外国人『隷属』労働者」(「G2」vol.17)で第46回大宅壮一ノンフィクション賞雑誌部門受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Willie the Wildcat

93
文化・生活環境の差異などが、相手に見えないのが問題。”交差”点を、如何に見出すか?他力であれば団地の在り方を行政が示すか、自力であれば住民たち、中でも先入観の少ない(関係者それぞれからの)若者たちによる継続的な協業が必須という感。痛いのは、日仏、どちらも現実には政治力が見えないこと。仏ほどあからさまではないにしても、日本の行政も存在が見えない。保美団地の事例で教育にまで影響が出ている点も、フランスと共有する悲しき共通項。”非日常”の空間?嫌な言葉だ。2020/07/28

どんぐり

78
かつてのニュータウンは、オールドタウンとなり、たそがれ状態にある。団地の住民の高齢化と外国人の増加。互いに孤立する高齢者と外国人の問題である。外国勢力に侵食されているとヘイトスピーチをくり返すゼノフォビアの出現など団地は差別と分断、時に排外主義の最前線となる。そんな各地の団地を訪ねながら将来への希望を見出そうとするルポ。取り上げている団地は、松戸市常盤平団地、調布市神代団地、川口市芝園団地、パリ郊外のサルセル団地、広島市基町アパート、豊田市保見団地など。2019/10/03

おかむら

48
60年前はモダンな暮らしが庶民の憧れだった団地が、今は高齢者と外国人の住む場所になっている現状をレポート。中国人が多く住む川口の芝園団地は知ってたけど、ブラジル人の豊田市保美団地や残留孤児の広島市基町アパートは初めて知った。さらにフランスのパリ郊外の団地事情も実に興味深い。日本人はけっこう他所者に対して冷淡だけど、フランス人もかなりなもの。多文化共生の難しさー。欧米人以外の外国人=治安悪いっていう偏見を若い世代からなんとか変えていかないとなー。2019/06/28

hatayan

39
『ネットと愛国』で在特会に迫った安田浩一氏が高度成長期の風景ともいえる団地の現在を報告。 団地の住民は高齢化。盛んだった近所付き合いは稀薄になり今や「限界集落」。住民の間では孤独死を減らす試みが始まっている。 団地は日本企業で働く外国人の居場所になりつつあり、新旧の住民が手探りながらも距離感を詰めていこうとする動きがある。 豊かさの象徴だった過去。多国籍国家への未来が見える現在。形を変えて団地は時代の先端であり続けています。 『ネットと愛国』の過激な展開とはまた違った、抑制の利いた読後感がありました。2019/04/21

よこしま

35
差別と分断、それを煽るメディア。◆ヘイトや貧困に対して実績のある安田さん。半世紀前は高嶺の花であった団地も高齢化が進み、コミュニティの成立が難しいと。更には埼玉・川口にある芝園団地みたいに中国人ら移住民が増え、ヘイトデモまで起きる始末。だけれど実際の芝園団地は静かなんです。高齢化した日本人と若い中国人住民とのコミュニティを形成させようと頑張ってる人も中にはいまして。そんな中、僕も西川口に住んでいた経緯からTBSの『噂の東京マガジン』の特集を見ましたが、中国人が一方的に悪いという紋切型な報道にさ呆れました。2019/08/31

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