娼婦たちから見た日本

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 317p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041013878
  • NDC分類 368.4
  • Cコード C0095

内容説明

人の寂しさは、人でしか救うことが出来ない―。もの言わずに、日本各地の売春街から消えていったじゃぱゆきさんや、日本人娼婦たち。日陰に生きる彼女たちは、社会の弱者でもある。彼女たちの身に起こったことは、次に私たちに起こることである。彼女たちは、日本人をどのように見てきたのか?そして、日本社会をどのように捉えてきたのだろうか?黄金町、渡鹿野島、沖縄、秋葉原、フィリピン、タイ、シンガポール、マレーシア、チリetc.10年以上をかけ、夜の街を行脚し続けた著者が、女たちの日本史を紡ぐ。現場ルポの決定版!!

目次

プロローグ 空気のように、常に娼婦たちはいた
第1景 売春街は死に、外国人娼婦は溶けた―神奈川県横浜黄金町
第2景 四百年の歴史を娼婦は灯す―三重県渡鹿野島
第3景 国策に娼婦は殺された―東南アジア、熊本県天草
第4景 ジャパニーズドリームを娼婦は体現した―チリ、フィリピン、タイ
第5景 娼婦は基地を抱き、基地に傷つけられる―沖縄県
エピローグ 灰色の街に彩りを娼婦たちは与える

著者等紹介

八木澤高明[ヤギサワタカアキ]
1972年神奈川県横浜市生まれ。写真週刊誌フライデー専属カメラマンを経て、2004年よりフリーランス。01年から12年まで取材した「マオキッズ 毛沢東のこどもたちを巡る旅」が第19回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

378
【遊廓部参考図書】Kindleアンリミということでハードル下げて読み始めたが、いやぁ骨太なドキュメンタリーであった。日本や日系人の歴史をちゃんと絡めつつ、カラダを資本に世界中を、(文字通り)股にかけて外資を稼ぐ女性たちの物語。ずっと知りたかった黄金町や渡鹿野島のnow & thenを学べたことも大きな収穫。課題ではないが、遊廓部員におかれては、参考図書として読むことをオススメしたい。2019/01/19

zirou1984

40
性が商売になるという事実と貧困という現実、この二つが重なる場所には娼婦は存在する。かつて日本からアジアへと渡ったからゆき(唐行き)さん、そして今は日本へとやってくるじゃぱゆきさん。彼女らが立つ場所は白黒付けられない灰色の場所ばかりだ。横浜ドヤ街近隣の黄金町や船乗り相手のはしりがねで賑わった三重県渡鹿野島、そして沖縄や東南アジア。土地に根付く歴史を紐解きながら、そこで生きる女性たちの声に耳を傾ける著者の態度はとても誠実なものだと思う。つい目を逸らしがちなひび割れた現実を、そのままに拾い上げようとする良書。2016/11/22

fwhd8325

28
娼婦という言葉の響きは、艶めかしく感じさせることもあるが、物悲しさも感じさせる。最古のビジネスとも言われる、春をひさぐと言うことは、生命力でもあるように感じる。その最たる例はアニータ。彼女の影を感じさせない強さは、娼婦という職業を超越した人生観を表現しているように感じる。ただ、すべてが、この例ではなく、そこには背けてはいけない歴史があり、そこの今という現実がある。とってもやるせない気持で読了。2015/05/24

空猫

24
各国の売春街への取材に加え、その歴史的背景まで掘り下げた力作。援交の元祖?素人羅沙綿(らしゃめん)。国策に翻弄されたからゆきさん。摘発で潰されていく売春街と法のグレーゾーン。ジャパゆきさんの憧れは「アニータ」。米軍が、沖縄を始めアジアに基地売春をもたらし、観光売春へ。経済的困窮からなら国の支援で解決可能かもだが、精神的枯渇から性を売る人、買う人が居る限り売春は無くならないだろうなぁ。性を売買する人がいなくなるのが理想だけれど…(..)読むのに心身ともに疲弊。落ち着いたら他の作品も読むつもり。2016/06/15

4fdo4

21
ただの興味本位なエログロ本ではない。 かなりの骨太ノンフィクションである。 日本もさかのぼれば海外へ出ていった「からゆきさん」達がいた。 無論、国内には呼び方が変わっても娼婦がいなくなった時代は無いだろう。 彼女たちから日本が、そして彼女たちの母国が透けて見え、なにより人間を感じる一冊。 それにしてもアポもネゴも無しに、チリまでアニータに会いに行って取材してくるなんて! 2020/05/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/8174902
  • ご注意事項