出版社内容情報
東北本線・五百川駅近くで死体入りトランクが発見された。被害者は東京の三流新聞編集長・山崎。しかし東京・田端駅からトランクを発送したのも山崎自身だった。競馬界を舞台に描く巨匠の本格長編推理小説。
内容説明
東北本線・五百川駅近くで死体入りトランクが発見された。被害者は東京の三流新聞編集長・山崎治郎。しかし東京・田端駅からトランクを発送したのも山崎自身だった…!山崎は事件の2か月前に福島で殺されたN省の元官吏・岡瀬正平が隠す横領金を追う中で、4人の人物に接触していた。部下の底井武八は、福島競馬をめぐる彼らの行動に目をつけ、事件の真相に追っていく。競馬界を舞台に描く、巨匠の本格長編推理小説。
著者等紹介
松本清張[マツモトセイチョウ]
1909年福岡県北九州市生まれ。給仕や印刷工を経て朝日新聞西部本社に入社。51年に「西郷札」で第25回直木賞受賞候補、53年に「或る『小倉日記』伝」で第28回芥川賞受賞。56年、朝日新聞を退社し、作家生活に入る。67年、吉川英治文学賞、70年、菊池寛賞、90年、朝日賞を受賞。社会派ミステリーを始め、歴史・時代小説、古代史・近現代史の論考まで執筆は多岐にわたる。作家生活約40年の間に、随筆や日記も含めて約980編の作品を発表し、編著も含め約750冊の著書を刊行した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yomineko@ヴィタリにゃん
52
編集長・山崎がトランクの中で死体となって発見された!だが荷送人も山崎。この謎に挑む山崎の部下の底井。福島競馬も織り込みながら謎が解けてゆく・・・松本清張先生の本は本当に素晴らしい。難解な事柄も読者に分かりやすいように書いて下さっている。例えば初めの方にAという人が出てきてその後何十ページも経ってからまたA登場!ところでAって誰だっけ?の様な事がない!!!素晴らしい!!!2019/10/13
キムチ
45
S59文庫の改版・・改めて時が流れている、押し入れの中のような香り(人権擁護からしたら不適切な表現etcと)名作「点と線」を踏襲している感が強い作品だけに、読み始めるとすぐにとんとんと展開。とは言うものの、トリックが2重3重で筆者の手管に乗っかるだけで些か物足りないエンド。時代背景からするとさもあらん≪下っ端役人・代議士・公金横領・金と女・不明金・・そして競馬≫~今でも一部キーワードは使えるかな?一気読みして、面白かった❕と言えるのはさすがの清張筆力!2018/05/25
シンシア
31
昭和の作品ですが、さすが松本清張。2023/01/21
gtn
27
夜行列車、競走馬の鉄道輸送等、ノスタルジック。ただ、時刻表による謎解きが複雑で、途中でどうでも良くなる。そこが本書の肝なのに。2023/04/22
asami
22
主人公の長~い推理が終わったと思ったら、急に犯人が自供を始める場面にいきなり変わったので、えっ!?となってしまった。 全然心理描写がなかったです。松本清張初めて読んだけど、他のもこんな感じなのかな?2014/06/04